仕事

コロナで収入がゼロになった50代派遣男性「コンビニですら働けない」

 一向に終息しない新型コロナ感染症。「自粛警察」も登場するほどの自粛の嵐に七転八倒する業界は数知れない。  いわば「経済死」といえる危機に直面している経営者、従業員、フリーターたちの苦悩や不安を少しでも和らげる方法はないのか? コロナで窮地に陥った人々の実情に迫りつつ、新刊『コロナ大不況で「経済死」しないための本』を上梓した企業再生ドクター・大和竜一氏に大ピンチからの脱出法を取材した。
経済死

取材に応じてくれたSさん

配膳スタッフSさん(50代)「この業界は終わった…」

 コロナで目にする機会が増えたものといえば、デリバリー専用のバイクや汗だくで自転車を漕ぐウーバーイーツの配達員たち。いわゆる「出前」やテイクアウトが大隆盛する中、人知れず「経済死」に瀕した業界がある。  皆さんは「配膳会」という言葉をご存知だろうか? ホテルの宴会などに配膳用のスタッフを派遣する、いわば人材派遣会社。社員は数人しかいないが、登録者が何百人もいて、ホテル側の依頼を受け、彼らを結婚披露宴やパーティーなどに「仕出し」する業界だ。  仮に出席者千人の大きなパーティーがあるとすれば、配膳スタッフは100人前後。黒服のリーダー的な立場の数名がホテルの正社員で、残りはいくつかの「配膳会」から10人ずつとか20人ずつといった形で、集められてきたスタッフなのだ。  その派遣スタッフの一人で、すでに20年以上配膳係として働き続けているというベテランフリーターのSさん(50代)は、コロナショック以前と以降の激変ぶりを語る。 「今年の初め頃は、もうどこも、みんなどうやってスタッフを集めようか、とそればっかりでした。オリンピックもあるし、海外からのお客さんも増える。ホテル側も宴会の予約が例年以上に入っていて、人手不足になるのが目に見えていたんです」

3月の終わりには仕事はゼロに…

 まったく仕事の経験のない学生アルバイトも雇わなくてはいけないが、ミスでお客の服を汚したり、失礼な言動で怒らせたりしたら、クレームはホテルに行く。新米の大学生バイトを教育するシステムも作らなくてはならない。となると、教育係をやってくれる人材もいる。 「2月の初めくらいまでは、そんな調子で配膳会も人材確保にやっきになってました。劇的に状況が変わったのは2月終わりから3月に入るくらい。バタバタッとキャンセルが出始めて、3月終わりには、まったく仕事がなくなってしまいました……」  それからほぼ半年、Sさんは配膳スタッフとしての仕事は一切なく、収入といえば、10万円の特別定額給付金、地元の自治体がコロナ対策で始めた緊急小口融資や家賃補助など公的支援だけ、といった危機的な状況が続いている。
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コンビニバイトの募集なし、ウーバーイーツは50代には辛い
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