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裏カジノで「ヤバい……」と思う瞬間は帰り際。数年前のインカジ事情

帰り際に初めて「やばいな」と思う

 中に入ると今まで見たことのない間取りが広がっていた。入ってすぐのところにカウンターがあり、壁際に1台ずつ仕切られた古いパソコンが並んでいて、みんなが黙ったまま画面にかじりついている。中央の開いたスペースには焦げ茶のソファーが並んでいて、その近くには漫画棚があった。「ウシジマくん」と「新宿スワン」だけが知っている漫画だった。  ソファーに座るように促され、気づくとキャッチのおっさんはいなくなっていた。別に知り合いでもなんでもないし、信用もしていなかったのに、いなくなると途端に不安になる。首にタトゥーが入った男が丁寧に説明をしてくれたが、首のタトゥーの中に塗り潰された星があるのを見つけ、ジョナサン・ジョースターのことをずっと考えていた。  3,000円分のポイントがもらえて飲食は無料。次回から金を持ってくれば帰る時にポイントと交換でき、使った金額に応じてポイントのサービスがある、そんな感じの説明だった。  店内の環境のすべてにビビっていたので、説明は聞き返さずに烏龍茶と炒飯だけ頼んで椅子に座った。パソコンのディスプレイの左下には300ptと書いてあり、画面にはカジノゲームのアイコンがいくつか書いてあった。どうやってゲームを開くのかもわからない。とりあえず遊んでいるフリをしながら飯だけ食べてしまおう。ポイントがなくなっているのに居座ったら怒られるかもしれない。  喉が乾いていたので烏龍茶を飲み干し、炒飯を食べ、また喉が乾いたので烏龍茶を頼んだ。三個くらいのアプリを開き、ルールもわからないゲームたちの上でマウスポインタを滑らせる。食い終わってしまうと早く帰りたくなり、とりあえず適当なゲームを開き、わけのわからないまま300ptがなくなった。今思えばルーレットの1点に3,000円賭けていたので、当たっていれば9万円以上勝っていただろう。  ポイントがなくなったことを店員に告げると、すんなりと帰してくれた。帰り際に学生証を手渡され、その時に初めて「ヤバイな」と思った。

インカジは客もがっつり違法

 外に出ると少し足が震えていた。携帯を一回も開いていないことに気付き、時間を確認すると、おっさんと会ってから1時間も経っていなかった。何事もなかったように家路につき、その日はすぐに眠った。  その2年後くらいに僕は合法のアミューズメントカジノでディーラーとして働き始め、日本におけるカジノの立ち位置と法律について少し学ぶことになる。  ちなみに現行犯で捕まることがほとんどだが、インカジは客側もがっつり違法らしい。みんなは行くことがないだろうが、法律は「ここから先は罪だよ」と事前に教えてくれるものではないから、気をつけて人生を送って欲しい。  ついでと言ってはなんだが、この話は全てフィクションです。 〈文/犬〉
―[負け犬の遠吠え]―
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩
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