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パチンコを1ヶ月ぶりに打ったら遊タイムにびっくりした話

―[負け犬の遠吠え]―
ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。 それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteで有名になったTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載も19回。  今回は、犬が1ヶ月ぶりに寝かせていたパチンコを打った時のお話です。
犬のTwitterプロフィール

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人は睡眠をしているときに成長するらしい

 人は睡眠中、その日に学習したことを整理して定着させるという。  人は睡眠中、その日壊した筋肉を修復してより強い体になるという。  医学に精通しているわけではないので詳しくはないが、そうらしい。自覚のもっと奥の方で、脳が、体が整理整頓されていき、忘れた頃に取り出しやすくなっている。一人暮らしの六畳間で、「明日も着るから」と明日着る服を枕元に投げ落としておくよりも、掃除してハンガーにかけておいた方が結果的に着替えやすいのに似ているかもしれない。  同じ仕組みかどうかはわからないが、僕の場合、何事においても現役時代を終えて熱が冷めた頃の方が上手にできた。  過去、家庭教師と塾講師を経験したことのある人は覚えがあるだろう。僕もかつて塾講師として高校生に勉強を教えていた頃、新芽のような新しい脳みそにどうやって公式や歴史を浸透させるか考えていた時、自身の理解度の高さに驚き、自分もこの方法で勉強すれば良かったと後悔したことがある。受験のためにがむしゃらに勉強していた頃よりもずっとスマートに知の引き出しを開け閉めできていたのだ。  過去、高校時代の楽しかった思い出に引きずられ、自分が辞めた部活にOBとして大きな顔で再訪したことのある人は覚えがあるだろう。遊びの延長で気の抜けたプレーをしている時に突然、現役時代に見つけられなかったコツを見つけ、思わず現役の後輩にいらぬアドバイスをしたことがある。僕は野球部でピッチャーだったが、腕の振り方に関して閃いてしまい、厄介な老害OBになった。ボールを投げる理屈から説明して顔見知りですらない後輩に苦笑いをさせたのだ。閃いてしまったのだから仕方がない。叶えられなかった夢を託したい気持ちが老害OBを生む。

9月は、借金返済のためにアルバイトを繰り返していた

 僕はこのような現象を「寝かせている」と呼んでいる。18歳に一斉にスタートの号令をかけられることはない大人の現在、死ぬまでの時間は好きに使える。僕は趣味で始めた学習やスポーツの練習で行き詰まったらとりあえず寝かせる。1年以上経って思い出したように再開すると案外頭も体も整理されていて、かつてはそびえ立つ壁だったものに穴を発見したように、そこから先に進めることが多い。  9月はパチンコを忘れてしまうくらいアルバイトを繰り返していた。「働くスイッチ」が入っている時はパチンコにもあまり目を向けない。その代わりに「遊ぶスイッチ」に切り替わった時に取り返しのつかないほど金を使ってしまう。後からバレるタイプのクズは大抵、猫を被っているのではなく、たまたまクズじゃないスイッチが入っている時に会っているにすぎない。  9月の3週まで毎週働き、ギャンブルで壊れた金銭感覚も徐々に健康になり、自販機でジュースを買うことをためらい水を飲むようになってきた。ちなみにタバコで汚れた肺が健康な水準まで元に戻るためには10年かかるらしい。  バイト期間が終わり、毎日を好きに使える生活に戻った。とりあえず溜まっていたアニメを見る。YouTubeを見る。部屋の掃除をする。  そういえば、パチンコ屋の喧騒の中にどっぷりと入っていく感覚をしばらく味わっていないな。  そう思い至ったのは翌朝くらいだった。とりあえず仕事も無い、用事も無い、お腹も特に空いていない。こんな時になんとなく足が向かうのはやはりパチンコ屋であった。人生の大目標を失った人間の先には、常に賑やかな自動ドアが待っている。
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1ヶ月ぶりにパチンコに向かう
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