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借金500万円男「月400時間」働き続けて半年…借金はいくら減った?

―[負け犬の遠吠え]―
 ギャンブル狂で無職。なのに、借金総額は500万円以上。  それでも働きたくない。働かずに得たカネで、借金を全部返したい……。 「マニラのカジノで破滅」したnoteが人気を博したTwitter上の有名人「犬」が、夢が終わった後も続いてしまう人生のなかで、力なく吠え続ける当連載は77回目を迎えました。  借金返済のため、月400時間の過重労働に勤しむ近況を報告した前回から4か月。コツコツ返した借金残額は380万円。社会の片隅で人知れず奮闘する男のリアルをご覧ください。

ギャンブルしなければ出費しないという必然

お金

写真はイメージです

 実をいうと、僕の最近の生活は非常に安定してきている。考えてみれば当たり前のことだった。  借金の返済があるとはいえ、1年をかけて裁判を繰り返し、毎月の返済額をかなり減らした。そして3月頃からこうした文章を書く暇も無いくらい毎日働いた。毎日働けばそれなりに金がもらえる。最小限の出費とそれなりの給料があれば基本的に人は困らない。僕はギャンブル以外に金のかかる趣味が無いため、パチンコ屋が開いている時間で労働を続ければ金欠に困ることは少ない。  文章を書いて金をもらうのは、何だか自分の非凡な個性が発掘された気がして気分が良かったし、僕のような低空飛行をする人間なら本来満たされない承認欲求もかなり満たされた。  インターネットにいる借金仲間やフリーター仲間から自尊心の保ち方についてアドバイスを求められて答えることもあったが、僕の場合は精神的に恵まれた環境に寄るところも大いにあっただろう。鋼の精神だと思っていた自意識は、実は他者からの承認という添え木があってこそのものだったかもしれない。僕は運が良い。

アグレッシブな負け犬と僕との決定的な違い

 今さらになって原稿を書いているのは、4つ掛け持ちをしている仕事のうちの一つを辞めたからだ。丸々休みの日が作れるようになってから気づいたが、僕は働きながらYoutubeをやってみたり、ブログを書いたりすることができない。根本的な話をすると、向上心が一切無いのだ。この連載タイトル(もはや連載という枠ですら無いが)は「負け犬の遠吠え」だが、YoutubeやSPA!で他に見る負け犬たちと比べてあまりにもエネルギーが足りない。  窮鼠となった彼らがあけすけに仕事の風景や私生活などを晒し、恥も外聞も捨てて本当の大逆転を狙うために社会に噛みつきに行く姿にはかなりの迫力がある。彼らは間違いなく一本筋の通った「自分の人生」を生きている。  僕は逆だ。与えられた生活や仕事を常に受け入れ、それもまた自分であると納得し、人生のスケールが縮小する度に視点を狭めて自意識の型を変え、その柔軟さこそが自分の「無欲な自分のオリジナルな生き方」だと思ってしまっている。  このままで良いのか?と思う時もあるが、大人しく働いていれば誰からも咎められることはないし、何より「こうしていれば誰も文句は言わないだろう」という一種の開き直りのような感情が自分を肯定し続けてくれる。  大学を中退し、会社を退職し、しっくりこないレールを早々に切り替え続けた先に待っていたものは、「せめて誰にも迷惑をかけないように」という標識が点々と立っているだけの、一本道の歩道だった。
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気持ちは22歳、現実は29歳
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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