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“隠れトランプ信者”がカギを握る。トランプ劣勢でも逆転がありえる理由

トランプ大統領の政策達成率は、歴代政権を見てもトップクラス

――トランプ再選ならば、日米関係はどんな影響があるか? 横江:トランプ大統領は自身が掲げた政策課題を着々と実行に移してきました。私がかつて勤めたヘリテージ財団はトランプ大統領就任から1年後に「トランプ政権はレーガン政権以上にスピーディーに、ヘリテージが提案した政策の64%を1年で成し遂げた」とレポートで明かしました。トランプ大統領の政策達成率は、歴代政権を見てもトップクラスと言っていいでしょう。 そのため、’16年の大統領選のときから掲げてきた同盟国に対する駐留米軍経費の引き上げは確実に実現すると考えられます。特に日本は来年3月に在日米軍駐留経費に関する特別協定が期限切れを迎えます。前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)のジョン・ボルトンは回顧録で「トランプ大統領は現行の4倍にあたる年間80億ドルの負担を求めている」と明かしています。さらに、トランプ政権はNATO加盟国に防衛費の増額を求めてきましたから、日本に対しては米軍駐留経費の大幅な負担増と武器調達の拡大を迫ってくるのは間違いありません。 フクシマ:1期目と同様、2期目も結果重視の通商交渉と雇用創出のための日本企業の対米投資を求めるはずです。横江さんの言った日本の駐留費にとどまらず、韓国の駐留費増額にもトランプ政権が満足しない場合には、米軍の一部撤退もありえると思います。

バイデン政権で外交政策を主導するのは誰?

横江:民主党と繋がりの深いグレンさんに伺いたいのですが、バイデン政権が誕生するとすれば、日本にとってのキーパーソンは誰になるのでしょうか? フクシマ:バイデン候補は上院議員36年、副大統領8年と半世紀近くワシントンでの経験があるので、人事面でも多くの閣僚候補者を知っています。トランプ政権とは異なり、大統領が閣僚に権限移譲をする可能性が高く、誰がどのポスト(例えば国務長官)に就くかによって政権が変わる可能性が高いので人事は大きな注目点になっています。 ただ、閣僚の下の実面での人事については、オバマ政権時代に国務副長官を務めたトニー・ブリンケンがバイデン政権の外交面での参謀役を務めることになるでしょう。もう1人のキーマンは、バイデン副大統領の安全保障担当補佐官を務め、’16年の大統領選挙でヒラリーの外交政策顧問を務めたジェイク・サリバン。彼らが外交政策を主導する可能性は高いでしょう。こうした、オバマ政権時代の外交担当者がバイデン政権でも重要な役割を果たすことになれば、日本側としては顔見知りが多く、互いに協力して日米同盟関係強化が可能になるでしょう。 横江:安倍政権時代にはトランプ大政権との蜜月関係を築くのに成功しましたが、あくまで首脳同士のコネクションでした。バイデン候補は中国以外のアジアにあまり関心を寄せていないようなので、政府高官レベルの日米連携強化が必要になりそうですね。 【「米国先端政策研究所」上級研究員・グレン・S・フクシマ氏】 カリフォルニア州出身。アメリカ合衆国通商代表部で対日、対中担当の代表補代理を経験。在日米国商工会議所会頭や日米友好基金副理事長、米国外交評議会委員などの公職も歴任。オバマ政権を支えたことで知られるシンクタンク「米国先端政策研究所」の上級研究員として、今回も含めて数々の大統領選挙で民主党陣営にアドバイスを行っている。 【元ヘリテージ財団上級研究員・東洋大学教授・横江公美氏】 愛知県名古屋市生まれ。明治大学卒業後に松下政経塾に入塾(15期生)。プリンストン大学、ジョージ・ワシントン大学で客員研究員を務めた後、政策アナリストとしての活動を開始。’11~’14年まではアメリカの大手保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」でアジア人初の上級研究員として活躍。’16年から東洋大学グローバル・イノベーション学科研究センターで客員研究員を務め、’17年から同大学教授に。’16年に出版した『崩壊するアメリカ』(ビジネス社)でいち早くトランプ政権の誕生を予想するなど、アメリカ政治に関する著書多数。近著『隠れトランプのアメリカ』(扶桑社刊)が現在発売中。
隠れトランプのアメリカ

隠れトランプのアメリカ』(扶桑社刊)

<取材・文/池垣 完(本誌)>
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隠れトランプのアメリカ

コロナ感染から奇跡のカムバックでトランプが勝つ!?
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