文学フリマから生まれた“SNS時代の私小説”『夜のこと』
―[夜のこと]―
かつて“日本一有名なニート”として知られたphaが、2018年に文学フリマに出店。そこで発売された同人誌は、彼の限りなく私的な恋愛事情について赤裸々に書かれたものだった。インターネットのブロガーとしても知名度が高く、すでに多数の著書を出版している彼は、なぜ今「文学フリマ」という場を選び、恋愛小説『夜のこと』を書いたのか。文学フリマ代表の望月倫彦氏と共に、インターネットと文学フリマの関係性について語り合った。
恋をしていたというより、書く動機が欲しかった
「文フリだったら炎上しないかなって」
望月:小説の中で文学フリマに出店した経緯も書かれているじゃないですか。ネットだと変に広がって炎上するからイベントで売るくらいがちょうどいい、っていう話。文学フリマの使い方をよくわかっているなと思いました。
pha:ネットは広がりすぎる危険がありますからね。ただ、理由はそれだけではなくて、ずっと前から「同人誌を作っている人たちって楽しそう」という思いがあったんですよ。文フリやコミケ、コミティア、とか。周りの知り合いでも書いている人が多くて、自分でもやってみたいな、と。正直何を書きたいとか決めていたわけではないんですけど、ちょうど小説を書きためていたから、これでいいか、って。
望月:正直読んだときはちょっと驚きました。「日本一有名なニート」という響きから想像する内容とはまるで違うものだったじゃないですか。そういう肩書きに憧れていた人たちにしてみたら、がっかりだよって言われたりするんじゃないかな、とも思いましたけど、実際反応はどうでしたか。
pha:この本が出るにあたって、試し読みをネットで公開したときは、そんな話聞きたくねえよ、みたいな反応がありましたね。ただ、文フリでわざわざ買うような人たちはある程度僕に興味関心をもって来てくれている人なので、いい反応が多かったです。
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『夜のこと』 元”日本一有名なニート”・pha(ファ) 初の小説を執筆!
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