ライフ

ニートになるなら東京か?山奥か? なるべく働かない生き方

―[夜のこと]―
 働かずに生きていけたなら……そう願ったことがある人は少なくないはずだ。「なるべく働かない」をポリシーに、それぞれ「東京」と「山奥」というまったく異なる場所に、ニートの集う”楽園”を築いた2人に、「これからの働かない生き方」を聞いた。
東京ニート×山奥ニート なるべく働かずに生きる[持続可能なニート]とは?

東京ニートのpha氏(左)と山奥ニートの石井あらた氏

なるべく働かずに生きる「持続可能なニート」とは?

 コロナ禍で日本中が働き方の変革を迫られる中、ブレずに「なるべく働かない」を貫くニートがいる。その一人が、和歌山県の限界集落でのニート仲間との共同生活を綴った『「山奥ニート」やってます。』(光文社)を上梓した石井あらた氏だ。一方、東京には、昨年までIT系ニートが集まる「ギークハウス」を運営し、元“日本一有名なニート”として知られる作家のpha氏がいる。東京と山奥、対極とも言える場所で暮らす2人。ニート歴10年超の両者に通じる「新たな生き方」を探るため、pha氏とともに、石井氏が住むシェアハウス「共生舎」へ飛んだ。

出会いが多い東京ニートと格安で暮らせる山奥ニート

――東京と山奥という対照的な場所で、ニートのためのシェアハウスを作った経緯を教えてください。 pha:僕は「お金より時間が欲しい」と思って、29歳で会社を辞め、ニートになりました。その後、関西から上京したけど、知り合いが誰もいなくて。「趣味の合う人同士でシェアハウスを作れば知り合いもできるのでは」と思い、ネットで呼びかけたのが始まりです。
東京ニート×山奥ニート なるべく働かずに生きる[持続可能なニート]とは?

人混みに埋没できるのが東京の魅力です(pha氏)

石井:僕は教員を目指していたんですが、教育実習中に徹底的にダメ出しされて、精神的に参ってしまって。教師への夢を失い、ひきこもりになりました。大学も中退し、地元の名古屋でニートをしていたら、’14年にニート仲間から「限界集落にあるNPOがひきこもりの移住を募っている」と教えてもらって。以前、phaさんの本を読んで「自分もギークハウスのようなことをやりたい」と思っていたので移住を決めました。 ――東京のギークハウスに住んだり、名古屋でシェアハウスを運営するという方法もあったのでは? 石井:それも考えたのですが、一番のネックは家賃でした。ギークハウスは家賃が1人4万~5万円はかかるので、毎月その額を稼ぐのはとても無理だろうなと思って。 pha:東京はどうしても家賃が高くなっちゃいますね。どんなに安い家に住んでも生活費が月に7万円くらいはかかっていました。 石井:山奥の生活費は安いです。現在は廃校になった小学校に住んでいるので家賃はタダ。水道光熱費、食費などの生活費は、15人いる住民全員から毎月1万8000円を集めれば足りてしまう。僕の去年の年収はブログの広告収入で得た30万円ほどですが、山奥なら不満なく生きていけます。
東京ニート×山奥ニート なるべく働かずに生きる[持続可能なニート]とは?

もともとは5人しかいなかった限界集落の山の斜面に立つ「共生舎」。全国各地から見学者や移住希望者が随時、訪れているという

次のページ
生活費が高くても東京に住む理由
1
2
3
夜のこと

元”日本一有名なニート”・pha(ファ) 初の小説を執筆!
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事