更新日:2020年12月19日 13:40
エンタメ

ついに決着「M-1グランプリ」決勝進出9組へ元ファイナリストが魂のエール

オズワルド(吉本興業)

※2年連続
オズワルド

オズワルド

 ツッコミ担当伊藤俊介、ボケ担当畠中悠からなる吉本興業所属のコンビである。  昨年決勝初進出を果たした2人の出番は、M-1史上最高得点を叩き出して優勝したミルクボーイの後だった。会場の興奮は冷めない中登場した2人の漫才はミルクボーイとうってかわってロートーン。しかし、しっかりと青い炎はメラメラと燃えている。強烈なインパクトを残し堂々の2年連続決勝進出だ。    M-1は他のコンテストと違い決勝進出すれば、それなりの恩恵というものがあり、飛躍のきっかけになる。2人も恩恵はあったと思うが、2人以上に飛躍したのが伊藤君の妹であり、女優の伊藤沙莉さんだ。数多くの映画に出演、主演もはり、CMにも引っ張りだこの状態である。2020年は大ブレイクの年になった。  それを一番喜んで一番悔しく思っているのが兄である伊藤君本人だろう。伊藤君はあの漫才からは想像できないほどの熱い男である。俺が最近あった若手の中でも随一の熱さである。彼がこの記事を読んだら「妹に引っ掛けて書きやがって」と怒るだろう。もちろん俺もわざと書いている。薪をくべているのだ。  来年は「伊藤沙莉の兄」ではない。「M-1王者オズワルド」となれ。燃えろ!

東京ホテイソン(グレープカンパニー)

※初出場
東京ホテイソン

東京ホテイソン

 ツッコミ担当たける、ボケ担当ショーゴからなるグレープカンパニー所属のコンビである。  2017年から2019年まで3年連続準決勝進出。しかも、2018年は11位、2019年は12位とギリギリのところで決勝進出を逃してきた2人がついに正面突破の決勝進出である。  2017年頃はショーゴ君のオーソドックスなボケをたける君が幼い頃から習っていた岡山の伝統芸能である「備中神楽(びっちゅうかぐら)」を折り込んだインパクトあるツッコミを放つのが売りのコンビだった。  しかし、年々進化し、今ではショーゴ君のボケはただのボケではなくなった。たける君のツッコミも聞き心地がよくなり、リズムっぽい要素や組み込めるような形で、1ボケの笑いの長さが格段に伸びるようになった。  吉本興業以外で2組以上のM-1王者を輩出した事務所は存在しない。そして、今8大会連続で吉本興業所属コンビがM-1王者となっている。直近で吉本の漫才師を倒してM-1王者を戴冠したコンビは、2人の事務所の先輩であるサンドウィッチマンだ。  彼らが優勝すれば吉本コンビ連続優勝をストップ、グレープカンパニー2組目のM-1王者となる。傾け!
次のページ
「怒り」を武器にM-1に革命を起こせ!
1
2
3
4
5
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

記事一覧へ
おすすめ記事