ガジェット好きがカスタムにハマる「VAPE」のディープな魅力
たばこというとニコチンやタールが含まれ、喫煙者だけでなく、まわりの非喫煙者の健康にも影響がある可能性が指摘されています。最近は、一般的な火を付ける紙巻きたばこでなく、健康への影響が少ないと言われる加熱式たばこの「IQOS」や「Ploom TECH」といった製品に移行している人も多くなりました。
加熱式たばこは、たばこの燃えカスやケムリが出ず、火も使わないということで、禁煙店舗だけど加熱式たばこならOKなんていう店も出てきましたが、2020年4月に健康増進法が改正されたことで、喫煙者にはますます風当たりの強い世の中になっています。
コロナ禍により、数多の企業でテレワークが導入され、今までは職場の喫煙室でたばこを吸えていた人も、家庭では家族にNOと言われてしまい、テレワークを機に禁煙生活に移行した人もいるそうです。
そんななかでも、売り上げが伸びているたばこが存在します。「VAPE」と呼ばれるリキッドを、電気の力で気化させて吸引する電子たばこです。
一般的に電子たばこといわれていますが、実はニコチンの摂取は通常の使用ならゼロ。使用されているリキッドも、食品添加物に採用されている植物性グリセリンやプロピレングリコールが使われており、一般的な使用なら人体に悪影響を及ぼす恐れはありません。
なので、喫煙者が禁煙へのステップアップとして、口寂しさを解消するのに最適な電子たばこが売り上げを伸ばしているのです。
日本でVAPEといえば、もとは一部のコアなファンが愛好する機器でしたが、ここ数年でかなり浸透しており、VAPE愛好家だけでなく、ガジェット愛好家にもマストアイテムとして人気を集めています。
なかには市販品だけでは飽き足らず、VAPE機器を自分で作ってしまうほどのヘビーユーザーも。リキッドと抵抗器の接触による気化という仕組みもあり、この抵抗器をさまざまにカスタマイズし、コイルを自作することで味の変化も楽しめるという。
コイル巻きだけが楽しみではありません。外装カスタマイズも楽しみの1つ。市販のMOD(本体)を塗装したり加工したりといった低難易度から、MOD自作といったカスタマイズまで幅は広く、VAPEの吸引には興味はないけどコイル巻きや機器製作が面白くてハマってしまったなんて人もおり、さまざまな機器に手を出して沼にハマって行く人も多いのだとか。
さてそんなVAPEですが、出始めのころにVAPEを吸引したけどリキッドの液漏れが不安だったり、バッテリーの発火事故などが不安といった理由で、VAPEをやめてしまった人もいるようです。しかし、こういった現象、今となっては過去の話。最新のVAPEは、液漏れによる不快感や事故の不安に怯える心配がなくなってきているといいます。
背景には、世界中で広まるにつれ製品の改良や発展が行われ、常に不満点が解消された製品が世に送り出されているからです。現在では、バッテリーの過放電対策としてバッテリーの残量が表示される液晶付きモデルなども登場しているので、こちらをチョイスすることで、適切に取り扱うことが可能となっています。
もちろん、通販などで安価に購入できる製品には、こういった制御機構などがないものもいまだに流通していますが、適切な見極めを行えば事故の心配は軽減されそうです。不安な場合は、お近くのVAPE専門店で相談してみるのもいいかもしれません。
最後に、どうしてもニコチンが吸いたいという人は海外から通販が可能です。薬機法により、日本国内では「販売」や「譲渡」が禁止となっていますが、「所持」や「購入」は法律で禁止されていません。ですのでニコチン販売が合法な国から個人輸入することでニコチンの摂取が可能となります。
とはいえ、大量の輸入はNG。税関審査の基準となる「120ml」を超えない範囲で輸入してください。なお、ニコチンを吸引した場合には、通常のたばこを吸うのと同じだということはお忘れなく。
さまざなリキッドを楽しむだけでなく、ガジェットとしても魅力のあるVAPE。未経験の人も過去に体親しんでいた人も、進化したVAPEを手に取りガジェットの魅力に浸ってみてはいかがでしょうか?
<取材・文/板倉正道 取材協力/フレーバーキッチン>テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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