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クーデター発生、ミャンマー在留邦人の不安「移動ができず“陸の孤島”状態」

移動ができない「陸の孤島」状態

「2月2日の夜、家の窓を開けると何かを叩く音がそこら中からしました。どうやら国軍に対する抗議のようで、ヤンゴン中で一斉に行われたようです」  現地に住む阿部さんは、今後について不安が隠せない様子。 「FacebookやTwitterが使えなくなり、どんどん不便になっています。今後の大規模なデモを恐れています。ただ、逃げたくても逃げられないので腹はくくっていますが(笑)。  現在の不安は、市民と国軍の衝突です。市民は多少の流血は覚悟している様子で、1988年に起きたデモの二の舞にならないか心配です。最近の発表では、5月31日まで飛行機の国際・国内線はストップになり、陸路の移動もできない。『陸の孤島』状態でミャンマーに軟禁されている状態になってしまいました」

通話が途絶えた

ミャンマー

国軍支持派が爆音で音楽鳴らしながら街を走っている

 クーデター発生後、阿部さんの生活はどう変わったのか。最後に質問してみることにした。 「昨年のコロナ禍よりテレワークが続いているので、特に生活面で大きな変化は見られませんが、今後もネットの遮断が時おり発生する見込みということが懸念材料ですね。  あ、たった今(2月6日)ヤンゴン市内で1000人規模のデモが起こったみたいです。行進しているようなので衝突するかもしれないです」  そんな話をしていたら電話は突然途切れ、それ以降は繋がらなくなってしまった。<取材・文/嵐よういち>
旅行作家、旅行ジャーナリスト。著書の『ブラックロード』シリーズは10冊を数える。近著に『ウクライナに行ってきました ロシア周辺国をめぐる旅』(彩図社)がある。人生哲学「楽しくなければ人生じゃない」
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