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クーデター発生、ミャンマー在留邦人の不安「移動ができず“陸の孤島”状態」

 ミャンマーでクーデターが発生した。東京でも在日ミャンマー人の抗議デモが起こり、海外からも大きな注目を集めている。ミャンマーには多くの日系企業が進出しており、約3500人の在留邦人がいるという。各社の報道からも混乱している様子がうかがえる。
ミャンマー

右手にコロナ対策の検温器、左にテロ対策の金属探知機

 そこで筆者は、ヤンゴンに3年住む阿部さん(30代・仮名)に現地の状況などをLINEや電話で聞かせてもらった。

ヤンゴンの知人に連絡をとってみる

「月曜日(2月1日)ということで、少し憂鬱な気分でエスプレッソを飲みながらタバコを吸い、Twitterを眺めていたんです。すると、『スーチー氏拘束』のニュース速報が目に飛び込んできました。国軍が、ミャンマーの与党である国民民主連盟(NLD)が大勝した昨年11月の選挙で不正があったと主張してクーデターを起こしたんです」  阿部さんは、もしかしたらこのような事態もあるかもしれないと予想していたという。前週の時点で国軍がクーデターをほのめかすような発言をしており、その可能性がゼロではないと受け取れるニュースが日本語でも流れていたそうだ。  携帯電話の回線が不通になってしまい、テレビは国軍のチャンネルしか映らなくなっていた。 「すぐにピンときて、これは国軍がインターネットを使えなくしたんだろうな、と思いました。その日はとりあえず会社に向かいました。いつもなら部屋の灯りがついているのですが、テナントは全て真っ暗でした。  誰もいないオフィスでWi-Fiを繋ごうとしましたが無理でした。不安になって廊下に出てみると、下の階に入居する日系企業の日本人の方がいたので、一緒にミャンマー現地企業に話を聞きにいこうと車をだすことにしました。街の中心地にあるスーレーパゴダ(仏塔)を通ってもらい、街の様子を見たところ、ネット回線に接続できないほか、ATMが使用不可能になっており、銀行の窓口から現金を引き出そうとする人が目立ちました」  街は混乱していると思いきや、それ以外は普段の“日常”と変わらない様子で現地の人は屋台でノンビリしていたという。

クーデターが起きた瞬間の日系企業の対応

中華街

中華街はいつもと変わらず

 その後、オフィスに戻った阿部さんだが、不安で頭がいっぱいになった。「今すぐ避難帰国するべきか」と考えていると、同じ会社の日本人Aさんがやってきた。  彼の配偶者はミャンマー人で、独自の情報網を持っている。過去にバンコクの政変も経験しており、このような非常事態での立ち回り方を熟知している。在ミャンマー日本大使館から在留邦人に対し、一斉メールで「不要不急の外出を控えるように」と呼び掛けがあり、Aさんはそれに従って自宅待機していたようだ。“クーデターが起こった瞬間”の日系企業の対応は、主に以下の3つだったという。 1.日本の本社から自宅待機の指示 2.帰宅困難者が出る懸念から午前中にスタッフを帰宅させた 3.呑気にお昼過ぎまでオフィスを開けていた 「コロナ騒動の時と同様に、店では買い占めが始まっていました。とはいえ、それほど問題にはなっていませんでした。銀行は閉鎖し、両替所も現金がなくなって騒ぎになっていましたが、翌日から開きました。その日は20時以降、外出禁止令が出されましたが治安面に関していえば問題なかったですね」
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「陸の孤島」状態
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