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コロナで内定が取り消された学生のその後「大卒1年目で中途扱い」

変わる労働市場コロナ禍の解雇現場の現状

コロナ解雇

写真はイメージです

 新型コロナの流行は労働市場を激変させた。特にコロナ解雇の現場は、この1年で段階的に変化していったと経営コンサルタントの中沢光昭氏は言う。 「コロナ解雇の第一波は、去年の3月ごろから始まりました。新型コロナの感染拡大を受け、コロナ不況を予測した感度の高い企業が、戦略的に非正規雇用者の解雇に踏み切ったのです。そして、同年秋から年末にかけて到来した第二波では、安泰だと思われていた正社員にまで解雇の波が及びました」  これまで企業は人員整理をする際、“不当解雇”と問題にならないよう慎重に行ってきた。面談を重ねて社員に退職を促す退職勧奨や、能力開発と称して達成困難な課題をつきつけ退職に追い込むPIP制度も、企業が考えた巧妙な手段といえるだろう。

「感情に任せての解雇が横行している」!?

 だが、コロナ解雇第一波、第二波と続き、コロナが理由なら正社員のリストラもやむなしという空気感が社会全体に蔓延した結果、解雇の現場は現在、新たなフェーズに入っているという。 「本来なら解雇は会社存続のために戦略的、かつ問題とならないよう巧妙に行われるものでした。ですが現在では解雇に不慣れな企業による、感情に任せての解雇が横行しています。  例えば、コロナ不況に便乗して、『念のため固定費を削減しておく』といった安易な発想で、黙って従いそうな社員を解雇のターゲットにするなど、雇用主の匙加減で社員が切られるような事例が増えています」  このご時世では、誰もが職を失うリスクがあるのだ。 【経営コンサルタント・中沢光昭氏】 経営コンサルタントとして破綻会社などの再建・改革実績を多数持つ。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社新書) <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!3月16日発売号の特集「コロナ解雇、その後」より
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週刊SPA!4/6号(3/30発売)

表紙の人/ 黒木 華

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