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コロナで内定が取り消された学生のその後「大卒1年目で中途扱い」

新型コロナウイルスの感染拡大に起因する経済不況は、学生たちの就職活動にも深い影響を及ぼしている。厚生労働省によると、’20年4月卒業の学生のうち、企業から内定を取り消されたのは170人以上に上り、前年比の5倍となった。

「中途扱いの再就活で苦戦…」内定取り消しに遭った学生のその後

コロナ解雇

会社からの不採用通知書

 昨年、新卒で入社予定だった中小規模のIT企業から内定取り消しを受けたという中田彰吾さん(仮名・23歳)が、自らの経験を振り返った。  中田さんは関西の公立大学を卒業後、内定をもらった会社でWebエンジニアとして働く予定だった。だが、本来なら3月末から事前研修が始まるはずが、入社延期が重なり、結局、内定取り消しを言い渡されたのだ。 「どうしても働きたい職種だったので、無給でも構わないので雇ってほしいと懇願したところ、徐々に先方の態度が変わり、最終的には『ウチで働くにはあなたはスキル不足だ』と突っぱねられてしまいました」  ショックから立ち直れないまま始めた就職活動も苦労の連続だったという。内定取り消しにより、新卒ではなくなったため、就活は中途採用扱いとなった。大学卒業後、すぐにほかの社会人と同じ土俵に立たされたのだ。  中田さんはWebエンジニアの仕事を中心に100社以上の求人に応募。だが、面接に漕ぎ着けたのはわずか5社だった。 「新卒採用時には、応募した5社のうち3社から内定を得ることができたんです。まさかここまで就職市場が変化するとは思いませんでした。コロナで売り手市場から、完全に買い手市場に切り替わったのを実感しましたね。若手は就活に有利と思われがちですが、今はどの企業も若い未経験者を雇う余裕はないようです」

Kindleで内定取り消しの経験を自費出版

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内定取り消しの経験をブログで公開、その内容をベースにKindleの書籍を制作

 中田さんは、正社員では希望通りの職に就くのは無理だと判断。昨年8月に派遣社員としてWebデザインの仕事に従事し、スキルを学びながら働いている。  また、昨年10月には内定取り消しでもらえなかった給料の分を少しでも取り返そうと、Kindleで内定取り消しの経験を自費出版。毎月数千円の利益が出るという。 「同じ大学の友人も内定取り消しに遭って、結局再就職先が見つからず、専門学校で専門知識を身につけているところです。僕も今の派遣先で経験を積んでから、正社員の仕事に応募しようと思っています。  先日、僕を内定切りした会社が、今年もシレッと求人を出しているのを見て怒りを覚えましたが、このパワーをいい方向に変えて頑張ります」  未来を担う若者の雇用は守られてしかるべきだろう。
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変わる労働市場コロナ禍の解雇現場の現状
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