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沖縄の夜の街。再三の時短要請の陰にクラスターを公表しない店の存在が

コロナに感染したキャバ嬢の話

クラスターがあった店で感染したと話すキャバ嬢

クラスターがあった店で感染したと話すキャバ嬢

 そんな中で取材したのは、とある内地キャバクラ。この店は昨年7月に従業員と客14人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生し、店名を公表したことでニュースでも大きく取り上げられた。そのときに感染したというキャバ嬢に話を聞くことができた。 「私の場合、最初はほとんど無症状でしたが、店から『ボーイとキャストに感染者が出たから検査を受けて』と言われて一斉検査が実施され、そこで初めて陽性と分かりました。元々、喘息持ちだったので念の為、入院と言われたのですがペットを飼っているので自宅待機を希望したんです。  結局、ペットはホテルに預けて入院することになったのですが、他のコロナ感染者と同じ6人の大部屋でした。発熱から最低7日間は入院といわれて、それ以降は感染力がなくなるので退院することができました。  熱は夜だけは38度まで上がったのですが、起きている間は平熱でした。でも、味覚と嗅覚は退院してもすぐには戻りませんでした。ケーキを食べても砂糖の味しかしない、カレーを作っても匂いを感じない。特に困ったのはペットの臭いをまったく感じなかったことですね。ペットが部屋で粗相をしたときとか、シャワーに入れないといけないタイミングが分かりませんでした。退院して3か月ほど味覚嗅覚障害が続きました」

休業を経て再開したが…

 その後、半月の休業を経て店は再開された。現在は入店時の検温・消毒・マスクの着用・希望する客には来店名簿の作成など徹底した感染防止対策を行っているという。  余談だが、松山のキャバクラなどを紹介する無料案内所では県が実施している無料でPCR検査を受けることができるカードをもらうこともできる。感染者が増加傾向にある沖縄で、時短の対象となった飲食店や接待を伴う遊興施設。店名の公表に踏み切るのと公表をしない店では大きな差があるように感じ取れた。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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