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回転寿司から消えるメニューも? 大型コンテナ船の座礁事故で世界中が悲鳴

回転寿司から消えるメニュー

コンテナ危機

写真/Shutterstock

 南米産の冷凍魚介類を輸入する業者もこう話す。 「外食チェーンやスーパー各社は、場所を取るうえに廃棄ロスになることも多い冷凍魚介類をできるだけ在庫として抱えないよう、ギリギリに発注するんです。南米産の冷凍輸出用の魚介類はこれからがシーズンですが、これまでのタイミングで発注していては、調達が間に合わない。結果、回転寿司などではアジとタイくらいしか回らなくなることも考えられます」  食品だけではない。ニトリの広報担当者は週刊SPA!の取材に「昨年秋頃より、主に南中国・東南アジア地域からの商品輸入に対して多少の影響を受けている」と回答し、「今の状況は当面続くとみて準備している」としている。

日本が直面する、新たな物流危機

 紹介したように、コンテナ不足により足元ではいろいろな影響が出始めているが、時間がたてばいずれは解消するだろう。しかし、今回の事態を機に、日本は新たな危機に直面するかもしれない。 「日本の荷主はこれまで、運送コストに厳しすぎました。しかし、今回のコンテナ不足を機にある程度までの値上げを適正価格として受け入れなければ、より高い運賃を提示する海外勢に買い負ける事態が起こります。これによって日本にモノが入りづらくなることも考えられます。  すでにアジアと北米・欧州を結ぶ航路に占める日本の割合は5%に満たず、中国や韓国だけでなく、ベトナムやタイなどASEAN諸国よりも存在感が小さくなってきています。このままでは、世界の物流から取り残されてしまいます」(松田氏)  物流の問題以外にも、さまざまな影響を及ぼすコンテナ不足。我が国にとって問題は深刻だ。
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コンテナ不足によって価格高騰&品薄に!?
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