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不登校YouTuberゆたぼんの父の衆院選出馬表明は、なぜSNSで批判されたのか

選挙においては「悪名は票を失う」

 今回、「古い政党から国民を守る党」からゆたぼんの父親を立候補させることを発表し、久しぶりに「立花孝志」という言葉がTwitterのトレンドとして取り上げられるほど大きな話題になった。最近はほとんど忘れ去られていただけに、立花孝志氏のモチベーションが上がったのか、ニュースが話題になった後は新しい動画を次々とアップしていた。  しかし筆者は、今回の発表による効果は、立花孝志氏や「古い政党から国民を守る党」にとって、非常に大きなマイナスになったと分析している。  当たり前の話だが、例えば、どこかの区議のように、女子高生の前で下半身を出したことがニュースになったとして、「変態」としては大きな話題になるかもしれないけれど、そんな「変態」には絶対に投票したくない。つまり、どれだけニュースで話題になっても、そのニュースの内容次第では、むしろ投票したくなくなってしまうのである。選挙においては「悪名は無名に勝る」なんていうことにはならず、「悪名は票を失う」でしかないのだ。

「不登校OK」は支持を集めるのか?

 義務教育の学校に行かないことを肯定しているゆたぼんの父親は、その是非はさておき、かなり極端な思想の持ち主だと言える。どれだけいろんな人に心配されても、自分の子供を学校に通わせようとはしない。自身は「ゆたぼんにはホームスクーリングでちゃんと教育している」と言い、立候補は「多様な学びの場を実現する」ためだと主張している。  今のところ、中村氏の思想の影響を受けるのは、ゆたぼんだけであり、本人も満足しているようだし、まったく赤の他人である私たちにとっては「まあ、いいか」で済まされるかもしれない。しかし、もし彼が当選して議員になると、その思想は政策として他人事ではなくなる。  あまりに極端な考えの候補者の擁立は、逆に政党への嫌悪感を増す結果になるとすら思える。すくなくともSNSにおける負の反響を見る限り、立花孝志氏と「ゆたぼん」の父親のコラボレーションは、「最悪の組み合わせ」だったように筆者には思える。
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「NHK」を党名からはずした誤算
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