更新日:2021年05月22日 10:37
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不登校YouTuberゆたぼんの父の衆院選出馬表明は、なぜSNSで批判されたのか

「NHK」を党名からはずした誤算

 どうして一時的にでも立花孝志氏が人気だったのか。それは、日本でほぼ唯一、NHK問題に取り組むことを宣言していたオジサンだったからだ。  ところが、立花孝志氏は「立花孝志という存在が人気なんだ」と考えたのか、とうとう政党名から「NHK」の3文字を外してしまった。相変わらず、「NHK問題はこれからも取り組み続ける」などと言っているが、既にNHK問題はワンイシューではなく、ゆたぼんの父親が主張する「学校に行かなくてもいいじゃん」と同じテーブルに並べられた「たくさんある中の一つ」に格下げとなっている。  立花孝志氏は今日まで、さまざまなトラブルを起こしても根強く支持されてきたが、それは「NHK問題に取り組んでくれるオジサン」だからである。立花孝志氏が天才的な能力の持ち主だからではない。実際、選挙は31連敗中で、裁判も負けまくりである。  そんなタイミングで、生命線であるはずの「NHK」の3文字を外してしまったのだから、海の中で酸素ボンベを外したようなものである。もちろん、この後、東京都知事選のポスターにまで利用していた森友学園の籠池泰典理事長のようにモメて、結局のところ、ゆたぼんの父親が立候補することはなくなるかもしれない。いずれにしても、今度の衆院選や参院選で2%以上獲得するのは至難だろう。

連敗記録はどこまで伸びるか

 6月20日には「32連敗」という大記録がかかった魚沼市議選が行われる予定だが、今のところ、定数20に対し、23人ほどしか立候補しない見込みだ。前回は定数20に対し、22人しか立候補しなかったために、N国党の大桃聰氏が当選した。今年も23人しか立候補しないとなると、微妙に当選する可能性が出てきている。  今のところはまだ発表されていないが、船橋市議補選には少なくとも5人くらいの候補者が擁立される予定となっており、その後は、7月4日の東京都議選で、練馬区から松田美樹(新宿区議に当選したが、居住実態がなかったために当選無効となった)が立候補し、大田区からは片岡将志(元引きこもりで、N国党のボランティアに参加したことをキッカケに外に出るようになった)が立候補。7月11日の三郷市議選に日高千穂が、奈良市議選に竹島啓太が立候補する予定となっている。  なお、これらの自治体では供託金が没収されなければ、選挙費用の公費負担によって同党の関連会社に利益が出るようになっている。選挙さえ金儲けに使われているのである。 <取材・文/石渡智大>
普段は選挙ウォッチャーちだいとして日本中の選挙を追いかけ、取材。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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