更新日:2021年05月22日 10:37
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不登校YouTuberゆたぼんの父の衆院選出馬表明は、なぜSNSで批判されたのか

供託金は自腹で、どんどん出馬させる

 「古い政党から国民を守る党」には5億5530万円の借入金がある(旧・N国党の政治資金収支報告書、2020年11月公表)。これらの借入金は2025年までに返済するという約束になっているが、今のところ、返済できる見込みが立っているとは言えない。  この約5億円の借金は「衆院選の準備金」という名目で借りたのだが、既に大部分はどこかに消えてしまったため、これから立候補する人は、原則として供託金300万円(比例ブロックの名簿に名前を載せるとなると600万円)を自腹で用意しなければならないという。
立花氏youtube

立花氏のyoutube「衆議院選挙に立候補すればお金が儲かる理由とそのお金の使い方」。諸派党構想を解説(5/20)

 立花孝志氏が掲げる「諸派党構想」は、「古い政党から国民を守る党」というプラットホームを利用し、各自が「〇〇党」を作って立候補するというものだ。供託金は立候補者持ちで、獲得した票に応じて政党助成金から手数料を引いて配分するというのだから、「金融工作」とも言えるだろう。

「三浦春馬党」!?なんでもいいのか

 この「諸派党構想」の問題点は、内容や質を問わない、トンデモな主張までテーブルに並べてしまうところである。例えば、「諸派党構想」をめぐり、日頃から立花孝志氏と仲良くしているジャーナリストが「三浦春馬党」なるものを提案。なんでも、三浦春馬さんの死の真相を解明するための党だそうだが、この提案を立花孝志氏はリツイートし、やりたい人がいるなら認めると言っていた。  今なお多くのファンが心の中で大切にしている存在を、勝手に政治利用したあげく、どんな陰謀論か知らないが、「本当は他殺かもしれない」などとデマを流し、土足で踏み散らかすのである(立花氏自身はこの党の活動には関わらないが公認はする、とツイート)。だとすれば、中学生の不登校を利用することなんて朝飯前だろう。  ちなみに、次期衆院選で「古い政党から国民を守る党」から立候補予定の党は、ゆたぼん党、コロナは風邪党、パチンコ党、ハゲ党、はげ党、プロレス党、大麻党…など多数あり、これからどんどん増えていくという(立花氏が5/17のツイートで公表)。
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「不登校OK」は支持を集めるのか?
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普段は選挙ウォッチャーちだいとして日本中の選挙を追いかけ、取材。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
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