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拡大する「TLコミック」市場。人気作品は1話で1000万円売り上げる

―[エロで儲ける]―
新しい生活様式と身近なガジェットの発達が、エロビジネスの世界に大きな変化をもたらしている。決してなくなることのない「性欲需要」からお金を生み出す、エロビジネスの最前線に迫った!

電子エロ漫画好き女性が読者層。拡大する「TLコミック」市場

TLコミック

写真はイメージです

 ’20年には3420億円と過去最高規模を記録し、紙の販売金額を上回った電子コミック市場。なかでも、同市場をけん引するのがエロ漫画。特に「TL(ティーンズラブ)」なるジャンルが、巨大市場になっている。  TLとは成人向けの描写を含む少女漫画のこと。かつては一部のマニアな女性が読者層だったが、スマホの普及とともに「誰にも知られずにこっそり楽しめる」となって、人気を集めている。 「1話24ページ=150円程度で販売し、人気作品は1話あたり1000万円を売り上げます」  そう話すのはTLコミック編集者の岩本一樹さん(仮名・40歳)。コミックシーモアやブックライブなど電子コミックストアに約50~80%の手数料(料率は各制作会社による)を取られ、漫画家印税を20%支払うものの、ヒット作品を生み出せば2話、3話……と続きを書くだけで、仮に70%の料率とすると1話あたり240万円の利益を生み出す。人気作品ともなれば、これが最低15話以上は続く。 TLコミック「TLのほとんどは女性作家が描いています。同人イベントやSNS、作画のテイストが近いBL作家のチェックは欠かせません。その女性作家に、いかに女性ウケするストーリーを描かせるかがヒット作品を生み出す秘訣。性行為描写を冒頭で激しく出しつつ、イケメン男性の職業が警察官や教師、大企業の上司など安定していることがヒット作の共通項です」

ただのエロ描写ではヒットしない

 電子エロ漫画でヒット作品を生むには、いかに女性作家のモチベーションをコントロールするかだ。そこで重要なのが、恋愛経験でマウントを取ること。 「キャバクラや風俗通い、不倫経験もあります。童貞くさい編集者が性行為&恋愛描写にダメ出ししても説得力がないじゃないですか(笑)。女性読者はストーリーをすごく大切にするので、ただのエロ描写ではヒットしないんです」
TLコミック

SNSでの新人作家探しは欠かさないという岩本さん。「作家は必ず女性。ヒット作の中に、男性が描いたものはないですね」

 岩本さんがキャバクラなどにつぎ込んだ総額は1000万円以上。その経験があるからか、彼のヒット率は3割を超える。 「販売サイトに口座を持つには、定期的な作品の納品が必要ですし、作家も売れないからと、すぐに連載中止になるところでは書きたがらない。だから、最低7話×3作品を作家に描かせるだけの資金力は必要でしょうね」  それでも拡大するTLコミック市場なら、ヒットしたときの利益は大きい。女性のエロ漫画への渇望は今、まさに花盛りだ。
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エロで儲けられない困窮女性たち
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