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駐車場ひとつ借りるにも大苦労。ストリートで育ち会社も立ち上げたMC漢が、この社会で生きる困難を語る<ダメリーマン成り上がり道#46>

戦極MCBATTLE主宰・MC正社員が、MCバトルのシーンやヒップホップをビジネスやカルチャー面から語る本連載。プレイヤーとして、そして大会のオーガナイザーとして、日本のMCバトルシーンを牽引してきた漢と、その姿に触発されて自身の大会を作ってきたMC正社員が、シーンの今と昔、そして未来を語り合う。今回は、ストリートで育ち会社も立ち上げたMC漢が、この社会で生活を続けるうえで感じた障壁や困難について語る。

会社の信用のため、逮捕後は代表取締役を辞任

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MC正社員(左)と漢 a.k.a. GAMI(右)

――漢さんは9SARI GROUPを会社化したとき、駐車場借りるだけでもかなり苦労したそうですね。 漢 a.k.a. GAMI(以下、漢):「今はGoogleで名前を調べれば個人情報なんてすぐ出てくるから。公共的な手続きとか不動産とかの手続きをすると、まあ名前は調べられる。そこで評判がいいか悪いかで信用度が変わってくる」 MC正社員(以下、正社員):「じゃあ駐車場借りるにも漢さんの名前を調べられたわけですね」 漢:「そうだね。2013年頃で、Libraの件でかなり戦ってたときだから、逮捕もされていないのに『逮捕歴アリ』とか、『こいつはヤク中だ』とか、ウソの情報ばかり出てくるころだった。だから会社を作ったあとはソッコーでセカンドアルバムを発表した。そうしたらウェブ上の情報の流れが変わるから」 正社員:「僕はそういう苦労は全然なかったですね。ネット上に名前なんて出てなかったし」 漢:「元会社員だし信用抜群でしょ。俺の鎖グループには『ラッパーが代表をしている』ということを大事にしてたけど、逮捕の件があってからは代表も辞任した。それも信用問題の話だから。だって、元犯罪者が代表の会社と契約してくれる企業って限られてくるでしょ。いまは契約ひとつするにも大変だし、反社扱いされることもあるんだから」 正社員:「漢さんは反社ではないですよね(笑)。そんなに厳しいんですか?」 漢:「厳しいよ。Googleで信用度が決まるんだもん。だから取引や手続きをするときは『ググらないでくれ……』って思ってる。書類を受け取った会社が『少々お待ち下さい』って裏に行って何してるかって、ググってるだけだから。  俺の名前は有名だから、ネットにはいろんな情報が出てきちゃうし、出てきたら『あれ、この人何してるんだろう?』って余計見ちゃうじゃん。5ちゃん(旧2ちゃんねる)とかまでね。だから駐車場ひとつ借りるのも苦労するんだよ」

自伝を読んだら全部本当だった「怖い噂」

正社員:「僕も漢さんとLibraとの件が話題だったころは、2ちゃんとか検索して見てました(笑)」 漢:「いろいろ暴露するやつもいるんだよな」 正社員:「自伝に書いてあるような怖い話がネットでもいろいろ出てくるんですよね。どこまで本当だかわからないし」 漢:「俺らの場合は大概ホントだからまた困ったりする」 正社員:「マジで怖いっす(笑)」 漢:「『誰が暴露しているんだろう?』って思うよ。でも人間の心理考えたら普通のことなんだよ。やっぱり暴露するヤツは出てくるし、普通の人間はそういう噂を追いたくなるし、審査をする人も目を引く情報が出てきたら詳しく調べるしね。『審査するつもりが必要以上に調べちゃいました』とか言われることはザラだから」 正社員:「当時、僕がヘッズの一人として聞いてた漢さん周辺の噂で、『コレってすごい話だけど本当なの?』って話が沢山あったんですよ。漢さんや周囲の人と知り合っても『本当なんですか?』なんて聞けないし。で、自伝読んだら全部本当なんですよ(笑)」 漢:「でも自伝ですらウソって言う人いるからね。読者から寄せられた声を読むと、『アメリカでもそうやって噂話を広めたり、ウソをついたりするラッパーはいる。そうしたウソもエンターテイメントの世界だから、この自伝に書いてあることが一概にこれが本当とは言えない』とかね」
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漢「世の中には噂以上に衝撃的な事実もある」
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