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駐車場ひとつ借りるにも大苦労。ストリートで育ち会社も立ち上げたMC漢が、この社会で生きる困難を語る<ダメリーマン成り上がり道#46>

不当な扱いは「ヒップホップの世界の話だから」で終わらせたらダメ

MC正社員(左)と漢 a.k.a. GAMI(右)

MC正社員(左)と漢 a.k.a. GAMI(右)

正社員:「実際にこうやって漢さんと話すようになっても、『噂で聞いてたあの話、本当だったんだ!』と思うことばかりですからね。ホント、今回の記事でも出せない話ばかりなんですけど」 漢:「じゃないと裁判なんてしないし、世の中には噂以上に衝撃的な事実もあるんだよ。でも怖いのが、それを『ヒップホップの世界の話だから』で終わりにしちゃうことだよね。『終わらせちゃいけない』と思って裁判をしてきたわけだから。うちらは会社だし、社会のなかで活動してるんだからね」 正社員:「あともうひとつ僕が思うのは、漢さんの会社が駐車場を借りるのにも苦労する社会って、よくないと思うんですよね。日本って少しでもスキャンダルを起こした人にメチャクチャ厳しいじゃないですか」 漢:弱いものイジメが好きだよね」 正社員:「ホントですよ。『いつまでその話しているの?』みたいなことばかりだし。仮にヤク中だったとしても、もうクスリをやめて、今は真面目にやっている人もいるわけじゃないですか」

自分を塗り替えられる「ラップの力」

漢:ラッパーは自分を塗り変えていけるチャンスがあるから、まだ俺はいいんだよ。これ一般人だったら塗り替えられないからね。そこはラップのすごい力じゃん。ラッパーは普通じゃなくて平気だし、いい楽曲を出してシーンに貢献すれば、また名前が売れるから。  あとこれは余談なんだけど、AbemaKOKの映像で俺が出たのを皮切りに、執行猶予者も出せるようになったらしいよ。Abemaのなかには味方もいるんだよね」 正社員:UZIさんも出れるんですか?」 漢:「出れるね」 正社員:「いや、よかったです! 執行猶予者がメディアに出れる状況を『よかった』というの変な話なんですけど、そういう扱いはおかしいですよね」 漢:「俺らは失ったものをヒップホップで取り戻さないといけないし、悪い噂とかヒドい扱いもヒップホップで昇華していくべきなんだよね」 <構成/古澤誠一郎>
戦極MCBATTLE主催。自らもラッパーとしてバトルに参戦していたが、運営を中心に活動するようになり、現在のフリースタイルブームの土台を築く
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