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「50代で貯金0円」全世帯の約37%に。老後破綻しないためのお金の使い方とは

54歳から毎月5万円を貯金できるかがカギになる

50歳貯金0円男の老後

イラスト/サダ

「素波家のような場合、夫婦が65歳からもらえる年金額は月22万3000円(現時点)。社会保険料などを引くと、約21万円で老後の生活をすることになります。これでは、安心した生活を送ることはなかなか難しい。しかし、50歳貯金0円でも、ここから貯金すればまだ間に合います」(長尾氏)  素波家の手取り月収は約35万円。住宅ローンと子供の学費を考えると、53歳まで貯金するのは難しい。それどころか、大学の学費を考えると、家計支出は収入を上回り、42万円ほどの借金を抱えてしまうことになる。 「それでも、子供が大学を卒業してしまえば、家計はグッと楽になります。同年収で最も平均的な住宅ローンは7万5000円とし、他の生活費を見直せば、月5万円は頑張れば貯金に回せるはずです」

葬儀代や医療費を考え月3万円を取り崩す

 月5万円貯金できれば、982万円の資産形成が可能だ。つみたてNISAやiDeCoを使えば、さらに資産を増やすこともできるだろう。  しかし、貯金0円から900万円超の資産ができたからといって安心してはいけない。ここから葬儀代(全国平均で約195万円)や医療費を考えると、平均寿命付近の85歳時点で約350万円は死守したいところ。毎月貯金から使える金額は3万円が限界だ。  ちなみに、一旦要介護になると総額約800万円がかかるという試算も。貯金0円男は健康第一であることを肝に銘じておきたい。 「それでも、年金+貯金で月22万円の生活費を確保することができます。決して贅沢な暮らしはできませんが、老後破綻は免れることはできるはず。  老後も、常に固定費の見直しと節約は重要。貯金を取り崩して生きることは、凄まじいプレッシャーと恐怖を人間に与えます。できるだけ年金支給額に支出を近づけることが明るい老後生活のキモとなります」
50歳貯金0円男の老後

長尾義弘氏

【ファイナンシャルプランナー 長尾義弘氏】 出版社勤務を経て独立。’04年にFP2級を取得し、お金や保険についての情報を発信。『定年の教科書 お金 健康 生きがい』(河出書房新社)など著書多数 <取材・文/沼澤典史(清談社)>
清談社 ライター/編集 編集担当作→稲田豊史さん『こわされた夫婦』、生駒明さん『フーゾクの現代史』、諸富祥彦さん、島田友和さん、青木美帆さん『1on1コミュニケーション入門』、しみけんさん『モテる男39の法則』。X(旧Twitter):@numazawa_n
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