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飛ぶ鳥を落とす勢いの芸人・ニューヨークの思い「東京がレベル低いなんて、絶対言わせない」

これからもネタをやり続けるしかない

ニューヨーク――年始からテレビのバラエティへの出演が増えました。今のところ、手応えはどうですか? 屋敷:どうなんですかね。ラジオのときもそうですけど、どうやったら番組が長続きするかなんて、僕らにはわからない。だから、期待に応えられているか、貢献できているかという部分に関しては、まだわからないのが正直なところで。 嶋佐:自分の思い通りに結果を操れることなんて、まずないからね。 屋敷:自分たちがやりたいとお願いして、チケット代をもらって開催する単独ライブで、まったく笑いを取れなかったら、それはさすがに「ヤバい!」と思いますけど、テレビはそもそも呼ばれて出ているわけで。現場では、お茶の間の反応を確かめる術もないし。 ――よく芸人がテレビに出るからには「爪痕を残さないと!」と言いますが。 屋敷:もちろん全力で取り組みますけど、結果に関しては「ウケなかったとしても、100%こっちの責任じゃないからな」とは、どこかで思うようにしています。そうしないと、自分が腐ってしまうので。テレビの場合、僕らは番組のひとつのピースでしかないから、全力で楽しくやらせてもらって、あとはいい意味で「知らんがな」と気楽に構えさせてもらってます。 嶋佐:楽しくやるのが一番かなと思います。 ――では今後、ますますテレビの露出が増えてもYouTubeやライブは続けていく? 屋敷:そうですね。テレビだけだと、バランスが悪くなって単純に面白くなくなるんですよね。今はもっとテレビに出て、間違いなく一番頑張らなあかん時期ですけど、プレッシャーばかりだとキツくなる。 嶋佐:YouTubeでやったネタがテレビで取り上げられたり、テレビの話をYouTubeやライブで披露したりと、今のところ、いい感じでサイクルが回っています。しかも、コロナ禍でオンラインチケットが生まれて、これまで劇場でフルハウスでも400〜500枚だったのが、何千枚とチケットが売れる時代になった。単独ライブは延期中ですけど、テレビで知ってくれた人がチケットを買ってくれたら、ライブの可能性も広がるんじゃないかな。 屋敷:経歴や特技とか、僕らはなんもないから、ネタで評価されるまでスポットライトを浴びることはなかった。だから、これからもネタをやり続けるしかないんです。

「売れなくてもいい」なんて、絶対言えない

ニューヨーク――最後に今後の展望ですが、先日、嶋佐さんが抱負として「お金を持つ」と書をしたためていました。 嶋佐:SPA!を読んで、どかんと米国株で資産運用したいと思ってます。コツコツとかじゃなく、億を狙っていきたい。 ――屋敷さんはどうですか? 屋敷:劇場、テレビ、YouTubeをバランスよく回しつつ、千葉あたりに庭付きの戸建てを買って、最低でも週2で休みたい。なんなら週4で休みたい。あくまで理想ですけど。でも、この前、親の面倒をきちんと考えたら、結構お金がかかることがわかって、やっぱり頑張らなアカンなと。それに、番組ごとに何十人ものスタッフがサポートしてくれているから、もう「売れなくても構わない」とか口が裂けても言えない。嘘でも「ビッグになりたい」と言っておかないと。 嶋佐:責任感はちょっと芽生えてきたかな。まだまだぽっと出ですけど、東京吉本、背負っていく気概は見せていきたいですね。 屋敷:ほんと、東京には面白いヤツらいっぱいいるんで。みんなで上に行けたらいいなと。僕らが上に旗を立てられたら、後から上ってきやすくなるかなとは思ってます。 【New York】 屋敷裕政(’86年、三重県生まれ)と嶋佐和也(’86年、山梨県生まれ)のお笑いコンビ。結成12年目で東京吉本所属。『M-1グランプリ』2019・2020、『キングオブコント』2020ファイナリスト。レギュラー出演番組に『ラヴィット!』(TBS・木曜レギュラー)など 取材・文/谷口伸仁 構成/宮下浩純(本誌) 撮影/髙橋慶佑 スタイリング/千葉 良 撮影協力/ミュージックバーながさき(渋谷区道玄坂2-29-6) 衣装協力/BOTTEGA MARTINESE(ユーロファッション・ジャパン) ※6/15発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』より
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週刊SPA!6/22号(6/15発売)

表紙の人/ アンジュルム

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