更新日:2021年06月25日 17:46
仕事

「妻は愛しいが頭が悪い。救ってあげねば」モラハラ加害者の心理を当人が振り返る

「もうあなたとは働けない」部下から連名で届いたメッセージ

 同じ頃、今度は仕事で最も信頼していた部下たちからSlackで「もう一緒に仕事ができない」と告げられてしまった。そこには、こんなクレームが羅列されていた。 ・社員の声を真剣に受け取らずに潰す ・仕事に対して指示が適当。それなのに「自分で考えて」などと雑な扱いをする ・情報を持っていても相手に渡さない ・理解責任だけを相手に求め、自身の説明責任は果たさない 「そこで初めて、問題は相手ではなく自分にあるのだということに気づきました。ショックを受けたとともに、幸いコンサル業で培った知識のおかげで自分を客観視することができたのだと思います。他社の労働環境相談にはさんざん乗ってきたのに、なぜ自分を省みることができなかったのか……いまでも思い返すと本当に恥ずかしいです」  えいなか氏は仕事上で自身がパワハラ、モラハラを行っていたことを知った。にも関わらず、結婚生活でも同じことをしていると気づくには時間がかかったという。 「気づくのが遅れた理由はいくつかあります。まずアルコール依存症だと思い込んでいたけれど診断名はつかず、発達障害であるASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥多動性障害)があることが判明したこと。そして何よりも100冊以上の関連書籍を読み漁り、ようやく知識として自分の行為や考え方の間違いを認識できたことですね」

ハラスメントをしてしまう加害者の共通項

 他人を潰すほどのハラスメントをしてしまう加害者の共通項として、 ・高学歴で地頭がよい ・他人への共感性が著しく欠如している ・常に自分の理屈が正しいと思っている ・相手に対して悪意がないので加害者であることに気づかない  といった特徴がある。えいなか氏も例に漏れず、当てはまっていた。
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ハラスメント加害者が陥りがちな思考
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