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大阪・梅田のコリアンタウン化。コロナ禍で急加速のワケ

ミナミの地代が高くてキタに流れた飲食店

 一昔前まで、大阪の若者が集まるのは心斎橋やなんば駅のあるミナミで、キタ(梅田)はサラリーマンが集まるオフィス街として知られていた。若者がミナミではなくキタに集まるようになったのは他にもこんな理由があるという。 「数年前のインバウンドブームでミナミに外国人観光客が増加したときに『若者のミナミ離れ』が進んだんです。また、外国人オーナーも多く参入してきて、当時はミナミの中抜き物件でも高額家賃をとるなど、まさにミナミは地価バブルでした。そのため、ミナミでは飲食店の新規参入が難しかったんです。その点、梅田は外国人オーナーの物件がほとんどないし家賃もミナミに比べると遥かに安い。  また、コロナ禍においてミナミが感染の中心地として名指しされてしまったのが痛かったですね。梅田はコロナ禍でもそれほど注目されなかったので、昨年8月のミナミの時短営業要請のときも東通り商店街は普通に営業していました。『まん延防止等重点措置』で午後8時までしか酒類を提供できなくなったときも梅田では営業時間を早める店が増えて、昼飲みを求める若者で賑わっていました」

おじさんはなかなか入りづらい

韓国料理

立ち寄った韓国料理の店。本格的で美味

 リトルコリア化ととともに増加する梅田のネオン系韓国居酒屋。一方で、元々梅田で飲んでいたサラリーマン達は来づらくなってしまったのではないだろうか。梅田のオフィス街に勤務する40代の男性に聞いてみると意外な答えが返ってきた。 「確かに、ここ1年ほどでリトルコリア化とともに若者が多く来るようになり、おじさん達は入りづらい店が増えました。特に今は休業要請下なので営業している飲み屋が20代の若者で満席……なんてこともあります。おじさん達は、大阪駅の駅ビルに追いやられて立ち呑み屋で静かに飲んでいます。  でも、梅田がリトルコリア化したことでいいこともありました。パパ活やキャバクラの同伴で連れて行くと女のコが喜ぶんですよ。少し前ならパパ活や同伴で行くのは焼き肉や高級中華が当たり前で2人で2万円は下らなかったのですが、韓国系居酒屋なら5000円程度とリーズナブル。流行最先端なので女の子のほうから『行きたい』と言ってきますね」  なんとも言いようがない返答に、思わず首をかしげてしまった。
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新たなスポットとして定着するか
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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