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中国版TikTokで280万人フォロワーの日本人女性「市場規模や収益性などスケール感が違う」

遊び感覚で始めた中国版TikTokが3ヶ月で100万フォロワーを達成

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化粧品や日用品などの企業から広告案件が来るとのこと。相場としてフォロワー50万人で10〜15万円、フォロワー100万人で80万円ほどの収益になるそうだ

 最初はほんの遊び感覚で週2、3日動画撮影し、抖音で投稿していったそうだ。  そうしたところ、瞬く間にフォロワーが増えていき、3ヶ月で100万人ものフォロワー数を達成。広告案件の依頼も来るようになるほど、いわば“越境TikToker”として頭角を現すことになったのだ。 「最初の頃は、中国で流行っているメイクやファッションのビフォー/アフター系や日本文化ネタなどを、『日本人の元気な女のコ』を演じて動画投稿していきました。そのほか、SNSで投稿するアイデアを探しながら、だんだんと自分のスタイルを確立させていったんです。幸い、女優をやっていたこともあって、顔の表情やリアクションなどの演技には自信があった。自分の強みを生かしつつ、これまでやってこれたと思っています」  抖音では「櫻花奈々」の芸名で活動し、持ち前の演技力を生かしながら様々なキャラクターに変身し、名声を得ることに成功。  今では抖音において、日本人女性のトップとなる約280万人のフォロワーを持つインフルエンサーにまで成長した。

日本で流行るTikTokとは桁違いのスケールを持つ「抖音」

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石田さんが抖音で投稿する動画。通訳が付くので、基本的には日本語で話すという

 そんな石田さんに、日本で流行っているTikTokと抖音との違いについて聞いてみると「市場規模や収益性などスケール感が違う」とし、次のように話す。 「まずはユーザーの属性の違いから説明すると、日本のTikTokは若年層を中心に盛り上がっている印象ですが、抖音は若者のみならず30代~50代など幅広い世代が楽しむサービスとして根付いています。  ユーザー数に関しても中国全体の総人口は14億人と言われていますが、抖音のユーザー数はその3分の2にあたる8億人のユーザー数を誇ります。そのうち、アクティブユーザーは4億人いるとされ、日本とは比べものにならないほど、多くの人が抖音を日常的に使っているのが大きな違いとなっています」  また、2016年のリリース当時の市場規模がおよそ16億円だったの対し、「約4年で500倍の9000億円規模にまで成長している」ことも説明する。 「年々、抖音のユーザー数は爆発的に伸び、国民的なサービスとして認知されるようになりました。加えて、日本よりも先駆けてライブ配信機能(日本版は2020年7月に追加)やEC機能が実装されており、ギフティング以外にもライブ配信中に洋服やコスメ、車、家などの物販を行って収入に繋げることもできる。  トップインフルエンサーともなれば平均的に月20億、中国No.1のECショッピングモール『天猫(Tmall)』が毎年11月11日に行う独身の日には、1日で200億の売上を作ってしまう。まさに桁外れの市場が広がっていると言えます」
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日本人のライバルが少ない抖音だが…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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