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Windows365とは? 8月に提供開始、企業には大きなメリット

クラウドで操作できるウィンドウズ

 7月15日、マイクロソフトは「ウィンドウズ365」を8月2日より提供すると発表した。もちろん、従来のようなPCにインストールするタイプのOSではない。ウィンドウズ365はウィンドウズ10やウィンドウズ11をクラウドベースで利用できるサブスクリプションサービスだ。  ブラウザからマイクロソフトのサーバーに接続することで、自分が契約しているOSに接続し、操作できる。簡単に言うと、サーバー上のPCを借りて、ネット経由で遠隔操作するというイメージだ。
ウィンドウズ365

色々な端末からブラウザ経由でクラウドPCを遠隔操作できるようになる

 もちろん、ユーザーは手元のPCやタブレット端末でアクセスしたり、操作することになる。なんでわざわざ、手元に端末があるのに、お金を払ってクラウドのPCを遠隔操作しなければならないのか不思議に思うことだろう。

リモートワークの急拡大に対応

 実は、このウィンドウズ365は法人向けのサービスとなっている。コロナ禍でリモートワークが急拡大する中、様々な課題が発生した。まずは、セキュリティ機能を適切に運用できないために、情報漏洩の可能性が高まったこと。大量に手配するため予算を気にして格安PCを手配すると、性能不足で業務効率が落ちること。そして、全社員及び新しく入社する社員全員のPCをセットアップして配送する手間が発生すること、などだ。 ウィンドウズ365
ウィンドウズ365

ブラウザでウィンドウズ365のクラウドPCを操作している画面

 ウィンドウズ365はこれらの課題をまるっと解消してくれるのだ。クラウドPCはマイクロソフトクラウド上にあるので、企業の管理者はネット経由で新規導入から設定までを行える。後は、社員にログイン情報を教えるだけでいい。初期導入の作業や手配の手間、コストなどを大幅に軽減できるのだ。  クラウドPCのスペックはニーズに合わせて自由に拡大・縮小できるので、性能不足やオーバースペックといったトラブルもない。新入社員が入ったら簡単に台数を増やせるし、不要になったら解約すればいいだけ。設置場所や電源、廃棄料金などを気にする必要もない。手元の端末が古くなっても、ブラウザーさえきちんと動作すれば、ハイパワーの処理性能を活用してビジネスできるのが特徴だ。  もっとも大きなメリットはPCの本体はクラウド上にあるので、社員が操作するにはデータが存在しないということ。個人所有のPCでセキュリティが甘くて不正アクセスされたとしても、業務データは漏洩せずに済む。個人だとアップデートを怠ったり、適当に設定してしまうことも多いが、クラウドPCはシステム担当者が適切なセキュリティ設定を行えるので安心できるのだ。  当然だが、セキュリティもばっちり。クラウドPCを実行する管理対象となるストレージは暗号化され、通信もすべて暗号化されている。多要素認証も利用でき、不正アクセスも防止できる。
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従来までのウィンドウズと異なる点
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