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間違いだらけのExcel使用法。セル結合は使わないほうがいい

データを台無しにする“神Excel”

 ビジネスシーンではExcelのような表計算ソフトが手放せない。売上金額や予算、人数、来客数など様々なデータを記録し、集計し、経営の分析に活用するためだ。  しかし、データの記録方法を学ばずに適当にExcelを使い始めた人は、Excelの機能もデータも台無しにするような使い方をしてしまうことがある。見た目を重視することで、データの利活用ができなくなってしまうのだ。このようなExcelを「神Excel」と呼ぶ。もちろん、ポジティブな言葉ではなく、間違った使い方をしている、という悪口だ。  よかれと思って神Excelを作ってしまうと、「使えない」ファイルができあがってしまうので、紙のように眺めることしかできない。綺麗な報告書を提出したのに、使えないヤツだと思われては時間がもったいない。  何もExcelマスターになる必要もない。最低限、やってはいけないことをいくつか覚えるだけで、ぐっと「まともな」Excelを作れるようになる。  2020年12月、総務省は政府が公表する統計表を機械判読できるようにする表記を発表した。データを扱えないNG例と修正例をまとめたもので、統計表だけでなくすべてのビジネスシーンで覚えて起きたい常識的な内容になっている。この中から、最低でも覚えて起きたい5ポイントとワンランク上の2テクニックを紹介しよう。

総務省直伝の統一ルールとは

河野太郎議員は2016年から画像のような役所の神Excel全廃を掲げている

 まずは基本中の基本、1セルには1データしか入れないこと。原則中の原則なので肝に銘じて欲しい。よかれと思ってとか、これではわかりにくい、と言い訳しても複数要素を入れてはいけない。「1セル1データ」。呪文のように繰り返して、破らないようにして欲しい。

1セルには1データのみ入力すること。画面は「統計表における機械判読可能なデータ作成に関する表記方法」より(以下同じ)

 次に注意したいのが、禁断の技「セル結合」。基本的に使わない方がいいのに多用されている機能の1つだ。データは行と列を入れ替えても意味が変わらないようにしなければいけない。セルを結合していると色々と不都合が出てしまうのだ。  すっきりさせようとセル結合で体裁を整えてはいけない。必要な列を増やすことに躊躇しないで欲しい。見た目よりも使い勝手を考え、セル結合は使わないようにしよう。

セル結合は使わない方がいい

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数値の入力に余計な文字列はNG
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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