「UQ mobile」新CMで満島ひかりがゴージャスな女王様に!
満島ひかりさんが女王様に……!?
「リスクを冒さないことこそ、最大のリスクだ」。女王様(
満島ひかり)が力強く言い放つ。執事(
松田龍平)は驚きながらも「グサッ」と胸に刺さった様子だ。その言葉に、思わずハッとさせられた人も多いかもしれないが、これは9月2日から放送されている『
UQ mobile』(KDDI)新CMの一場面である。
執事としてつかえる松田龍平さん。女王様の言葉が胸に「グサッ」と刺さった様子
おなじみのピンクレディーのUFOのリズムに乗せ、「♪UQ」と閉じるこれまでのCMシリーズとは一転。「
UQUEEN」と呼ばれる女王様と執事のやりとりがシュールでありながら、メッセージ性の強い仕上がりとなっている。果たして、強烈なキャラクターのUQUEENとは何者なのか。新CMの狙いとは——。
今回は、KDDI株式会社の宣伝部メディア・クリエイティブ企画室の室長、合澤智子氏に直撃した。
華やかな舞台にシュールな会話劇、「UQUEEN」とは何者か
現代の日本のどこかにあるというUQ殿
荘厳な宮殿に集められた大勢の民。そこに、この国の女王様であるUQUEENが姿をあらわす。彼女は、“かなりの女王様気質”なのだという。その傍らで執事の心の声が漏れる。
(
UQUEENがこうしてみんなを召集するときは、だいたい突拍子もないことを言い出すパターンだ……)
だれもが固唾をのんで見守るなか、ついに「発表する」とUQUEEN。「ドゥルルルルルル……」と、ドラムロールっぽい音を声で奏でる執事(笑)。
「ドゥルルルルルル……」
「ダダンッ!」
すると、UQUEENはスマホをかかげながら「
これからのスマホはすべて、この私が決める」と宣言。突然の出来事に執事や民がザワつくなか、「反対意見のある人は、足の指を挙げてくださーい。はい! いないようなので決定でーす」と続ける。一見ワガママにも思えるが、「
世の中を変えるのは、案外こういう人かもな……」と執事。彼女に対する信頼感も垣間見られる。
片手にはキラキラにデコられたスマホカバーをつけたスマホ
彼女を信頼していることがうかがえる
UQUEENの言葉には重みがあり、何かやってくれそうな期待感を漂わせるが……。
世の中の声を汲み取って“スパッ”と言う
KDDI株式会社 宣伝部メディア・クリエイティブ企画室室長の合澤智子氏
存在感の強いUQUEENというキャラクターについて、KDDI株式会社の合澤智子氏が説明する。
「UQUEENの『これからのスマホはすべて、この私が決める』『反対意見のある人は、足の指を挙げてくださーい』というセリフから、やや傲慢な印象を受けるかも知れませんが、じつはそうではありません。UQUEENは常に国民の快適なモバイルライフのことを考えていて、
世の中の声を汲み取って“スパッ”と代弁してくれる、彼女なら本当に実現してくれそうだという信頼感が持てるキャラクターなんです」(合澤氏、以下同)
日常生活を過ごすなかで、思っていてもなかなか口には出せないこともあるだろう。「誰かが言ってほしい」という期待を裏切らない、そんなリーダーを求めてしまうものだ。彼女は、まさに救世主……!?
UQUEENを裏付ける10カ条があるという。その内容は、以下のとおりである。
一、国民の声を聞いていないようで聞いている。
一、いいものが好き。安くていいものはもっと好き。
一、競争歓迎。勝つまでやるから負けないわよ。
一、次々と次のこと。倒れる時は前へ倒れる。汚れるから倒れないけど。
一、家族に愛を、ひとりにも愛を、紅茶にはミルクを。
一、青春万歳。若者には、夢とえこひいきを。
一、今を楽しむ。とことん楽しむ。余った分は来月楽しむ。
一、制限嫌い。条件嫌い。って言うか、それ好きな人いる?
一、割引はゴージャスに。通信品質はエレガントに。
一、合言葉は「つながろう」。それが人の基本でしょ。
ユーモアを交えながら、核心を突いている。これは消費者が通信キャリアを選ぶ基準について「こういうことを思っているのではないか?」というものを議論しながら生まれたそうだ。
懇願篇のCMでは、UQUEENの「リスクを冒さないことこそ、最大のリスクだ」というセリフが印象的である。どこか今の閉塞感が漂う世の中を反映しているようで、共感した人も少なくないはずだ。
「実際、社内的にも大きなチャレンジだったと思います。
お客さまの格安スマホに求めるものが変化しているなかで、UQも“次のステージ”に向かわなければなりません。料金プランの設定なども踏み込んでいく必要がありつつ、もはや利用料金が抑えられるだけでは勝っていけなくなっています」
イメージ刷新の背景にスマホ市場の変化アリ
これまで『UQ mobile』といえば、“
ちょっと不思議な家族を描いたCM”でおなじみだった。そのイメージを刷新した背景には、お客さまの格安スマホに求めるものの変化があるという。
「もちろん、これまでのシリーズはとても好評でした。CMを始めた当初(2016年)、UQは“格安市場”と呼ばれるなかで、大手3社(NTTドコモ、ソフトバンク、au)以外の“
格安キャリアのひとつ”という認識だったと思います。そこで、まずはUQという名前を覚えていただく必要がありました。UQという存在を強調する、いわばブランディングを目的としたものでした」
それは、’70年代に一世を風靡した名曲「UFO」のイントロが流れたあと、「UFO!」と歌うタイミングで「UQ!」と言う。一度聞いたら忘れられないものだった。
「しかし昨今は、ahamoやLINEMO、そしてpovoなどが登場し、当時と比較すると、より一般のスマホユーザーの方々に格安スマホそのものが浸透しているなかで、
UQのより魅力的なサービスや価値自体をシンプルに伝えることで、UQを選んでもらえる、その様なCMが必要と考えました」
ブランドスローガンは「シンプルを、みんなに。」
CMはブランディング重視からベネフィット訴求型に。そして、ターゲットを自分にとって間違いの無い賢い選択をしたい人に定め、「シンプルを、みんなに。」というブランドスローガンのもと、コミュニケーションフレームの変更を決意したという。
「懇願」篇のUQUEENと執事の間では、次のような掛け合いがある。
「スマホ月々990円にする」
「990円は無茶です」
「しかも家族全員990円だ」
UQUEENが「990円」と「家族全員」をスパッと言い切る。合澤氏によれば、そもそも新しいCMのコンセプトではUQ mobileのベネフィットを「シンプル且つ、力強く伝える」ことが念頭にあった。そこから“女王様”のイメージが誕生し、今回のキャスティングにもつながったと話す。
「存在感があって、強さと可愛らしさ、品格や余裕すらも兼ね備えている。そんなイメージに満島ひかりさんがぴったりでした。いっぽうで執事は、傍にそっと佇み、女王様のワガママや突拍子もない発言にも鋼の心で接する。豪腕な女王様の横には、松田龍平さんのような雰囲気のある人が佇んでいると落ち着くだろうなと」
UQUEENのセリフに説得力を生むため、画作りにもこだわりが詰まっている。UQ殿は「現代の日本のどこかにある」という設定。中世ヨーロッパを意識した空間で重厚感がありながら、スマホカバーはキラキラにデコレーションされたものを使うなど、新しさが散りばめられている。優雅なBGMと相まって、何かしらアトラクションが始まるような期待感が高まってくるのだ。
「これからもUQUEENは大胆で無茶なことを言い出すと思います。その時の執事のひと言や“間”の取り方などにも注目です。CMではありますが、ひとつの物語として楽しんでいただけるのではないでしょうか。時に誰もが納得できる真っ当な名言にも今後も期待してもらいたいですね」
もはや“格安スマホ”ではない
“格安スマホ”と聞けば、漠然と不安を覚える人も少なくないはずだ。
「当時は、格安スマホ=安かろう、悪かろうのイメージや、一部のリテラシーが高い人しか使いこなせないというイメージがあったかもしれません。現在はそんなこともなく、幅広いお客さまに利用していただいております」
以前から実際にUQ mobileを使っていただいているお客さまからの通信品質の満足度は高い。とはいえ合澤氏は、まだまだUQ mobileの魅力的なサービスや価値が知られていない、気づいていない人がいると感じているという。
「UQ mobileは2020年10月からMNOとなり、KDDIのメインブランドのひとつとなりました。4G LTEではauと同じ人口カバー率99.9%(※1)のつながりやすさと通信品質、さらに9月2日から一部エリアで5Gサービスにも対応、7月から全国のau Style、auショップ、UQスポット全店舗(※2)で契約ができるようになり、店頭サポートも充実しています。キャリアを選ぶ基準について、まずは料金の部分が大きいとは思いますが、UQは品質や使える容量に対する妥当性、納得感を感じていただけると思っています」
※1 「人口カバー率」は国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出しています。2020年12月末時点の情報を掲載しています。内容は変更になる可能性がございます。対応機種は4G LTE(800MHz)対応機器となります
※2 一部店舗を除く
合澤氏が語るように、UQ mobileは2021年9月2日から5Gに対応し、家族全員がでんきまたは対象のインターネットサービス(ネット+電話)とセットで、くりこしプラン+5Gに加入の場合、家族全員(※ご契約回線数には上限があります)のスマホ料金が月額900円(税込990円)からUQモバイルを利用できる割引サービス「自宅セット割」を提供する。
※「くりこしプランS +5G」で「自宅セット割」適用の場合。通話料(税込22円/30秒)など別途かかります。
お手頃料金でありながら品質の高さが好評のUQ mobileだが、料金面も品質面も一層磨きがかかるというわけだ。
今後は『UQ mobile』が大手キャリアに並ぶ選択肢となりうるだろう。
今、コロナ禍で給料やボーナスのカットが続出するなど、自由に使えるお金が目減りするなか、「低価格にスマホを利用できる通信キャリアに乗り換えようか悩んでいる」という人も多いはず。もしかすると、それをUQUEENが強く後押ししてくれるのかもしれない。
取材・文/藤井厚年、撮影/長谷英史
<提供/KDDI株式会社>