更新日:2021年09月08日 12:07
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自民党総裁選 暗躍する安倍前首相、岸田ではなく高市を支持するワケ

もう一人のキーマン

 今後、総裁選に向けて、二階氏や第3派閥・竹下派の動向も注目されるところだが、もう一人のキーマンがいることに留意しておきたい。 「菅首相です。世襲ではないうえに、地元・神奈川での支持を失っているため、退陣を期に政界引退の可能性もあると噂されています。自民党が下野して以降、無派閥を通したように、もともと権力に対する執着も強くない。引退とともに世代交代を促せば、河野氏の追い風となり、衆院選での“同情票”も見込める。結果的に見事な引き際だったと評される可能性もある」(同)  派閥の論理を超えて国民の支持を得られる総裁が誕生するのか……? 9月29日の決戦に注目したい。

注目を浴びる自民党総裁“候補”の顔ぶれ

●河野太郎(58) 行政改革担当相兼ワクチン担当相 神奈川15区 当選8回 麻生派(志公会) ツイッターのフォロワー数は235万人で国会議員最多で、若手・中堅からも「選挙の顔」として人気。だが名門河野家は祖父・一郎、父・洋平とも「総理の座」をあと一歩のところで逃している。一族の“呪い”から解き放たれるか ●岸田文雄(64) 前政調会長 広島1区 当選9回 岸田派(宏池会) 安倍前政権時代は外相として、オバマ元米大統領の広島訪問、従軍慰安婦問題の日韓合意を実現。宏池会は公家集団と揶揄されてきたが、君子豹変の「二階切り」人事改革案を打ち出し、菅首相の不出馬、候補者乱立の引き金に ●石破 茂(64) 元幹事長 鳥取1区 当選11回 石破派(水月会) メディアの「次の総理」の調査では常に1 位も、前回の総裁選では最下位に沈んだ。防衛、地方創生などの政策通として知られる。以前の取材では「総裁選ギネス記録に挑戦しているわけではない」と語るも、5回目の挑戦は…… ●高市早苗(60) 前総務相 奈良2区 当選8回 無派閥(元細田派) 柳澤伯夫元厚労相の「(女性は)産む機械」発言には「私は子供を授かれない体なので、機械なら不良品」と猛批判。政治信条の近い安倍前首相からの支持を取り付ける。「ニュー・アベノミクス」を提唱し、初の女性首相を目指す
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総裁選のもう一つの争い
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表紙の人/ 宇垣美里

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