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映画主演のリリー・フランキー、俳優業20年でも「職業プロとしてやってない」

多彩なキャリア、ウィキペディアで出てくる肩書は「俳優」が先頭に

カレーライス

(C) 2021『その日、カレーライスができるまで』製作委員会

――俳優業も20年になりますが、これだけ俳優としてのキャリアを重ねていくことを若いころに想像していましたか? リリー:今でも不思議な気持ちです。今回だって、友達の自主映画に出ているような感覚なので、なぜ劇場で上映されるんだろうと思ってるくらいです。学生が作ってる自主映画よりも短い期間で撮影してますしね。 ――リリーさんをネットで調べると、たとえばウィキペディアには肩書の最初に「俳優」と出てきてます。 リリー:最初に出てくるんですか。それって誰が書き換えるんだろ。最初に俳優と出てくるのはよろしくないですね。「イラストレーターなんだけど、お芝居もちょっとしてるらしいね」くらいの感じで見てもらうのがちょうどいいので。俳優としてのお芝居だと見られると面はゆいです。あくまでも蛭子能収さんとか、杉作J太郎さんとかの手法で。 ――肩書って気にします? リリー:特に気にはしないですけどね。職業欄を書かなきゃいけないときはイラストレーターって書いてます。とはいえイラストレーターの仕事よりも俳優の仕事の方が多いんですけど。まあそれも時期の問題ですから。

常に新人であるほうが新鮮でいい

――色々なジャンルでたくさんのお仕事をされていますが、それは結果的にそうなっているのでしょうか。それとも色々なことに挑戦している人生だと言える? リリー:やったことのないことをやってるほうが楽しいですよ。常に新人であるほうが新鮮でいい。半端なベテランになると一番仕事が緩みますから。やったことのないことで、興味のあることはやってみたいです。でも自分からこれをやりたいと言ってきたことはないな。「やってみない?」と声をかけられることが多いですね。 ――壁を作らないスタンスで来たからでしょうか。 リリー:俺もよく人に「これやってみない?」とか聞くけど、それってだいたいやってくれそうな人にしか言わなかったりはするよね。でも、そう声をかけてもらえるうちが華じゃないですか。だってたぶん出来上がったツラしたオヤジになっちゃったら、だれもそんなこと言ってくれないから。やったことのないことを、断って後悔するくらいならやって後悔したほうがいいと思いますね。
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俳優としてはプロじゃないけど、観客のプロではある
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ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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【公開情報】
その日、カレーライスができるまで』は全国順次公開中
(C) 2021『その日、カレーライスができるまで』製作委員会
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