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消えゆくストリップのいま。赤字覚悟で残すことを決めた劇場の思いとは?

ストリップの灯は消さへんよ

昭和遺産

「初めてのストリップでも、常連さんが面白さや見方を教えてくれるアットホームな劇場」と話す、閉館後に掃除に勤しむ支配人

 階段を上って2階の劇場に入ると、花道が盆を貫く独特の形をした舞台が見える。座席から近く、高さも約50㎝と低い。ストリップ歴15年の49歳男性は「最前列のかぶり席から見るダンスは、息遣い、熱気などが伝わります。風俗に飽きて、この劇場でストリップにハマったけど、抜くだけが楽しみ方じゃない」と熱く語る。  ショーが始まる。時折澄んだ目をこちらに向けながら、踊り子は一枚、また一枚と服を脱ぎ、素肌を露わにしていく。一方の客は密を避け、それぞれの思いで踊り子を観ている。客の手拍子で会場が一体感に包まれたかと思えば、“ベッドシーン”では一転、静寂に包まれた。興奮冷めやらぬうちに客は立ち上がり帰路に就く。別れ際に「ストリップの灯は消さへんよ」と話す木村氏の声からは、時代に抗う覚悟が伝わってきた。
昭和遺産

A級小倉劇場
小倉にある九州唯一のストリップ劇場。観客参加型のイベントも人気を博す。◯福岡県北九州市小倉北区京町 開演時間/13時~23時50分(現在は21時終了) 入場料金/一般料金6000円、シルバー料金3000円(65歳以上は要証明)、女性料金3000円

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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坂田哲彦氏オススメ ストリップ劇場BEST5

A級小倉劇場(福岡)
北九州市の小倉で多くのファンに支えられて復活を果たした。

アタミ銀座劇場(静岡)
温泉街にあり、絶滅に瀕している花電車芸を堪能できるのが魅力。

あわらミュージック劇場(福井)
50年もの間、温泉街を訪れる客たちを沸かせ続ける日本海の雄。人気アニメのコスプレ、エアリアル(空中)ショーも必見。

蕨ミニ劇場(埼玉)
商店街に溶け込む街の喫茶店のような存在。

晃生ショー劇場(大阪)
53年の歴史を誇る老舗で、新人踊り子がたくさん巣立つ名劇場

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