小阪由佳「“元アイドル”はキャリアにならない」悩み続けた引退後の人生
「“元アイドル”って、一般社会では何のキャリアにもならないと身をもって知りました」
現在は実業家として活動する小阪有花さん(36歳)が苦笑いする。旧芸名の「小阪由佳」として「ミスマガジン2004」グランプリを受賞後、数々の雑誌で表紙を飾ってきた。2009年に芸能界を引退すると、その後はもうひとつの夢だった保育業界に転身。保育助手の仕事から、保育園の経営にも携わってきた。
伝説の元グラドル・小阪由佳。“誰でも芸能人になれる時代”について思うこと
「アイドルは芸能界を一歩外に出てしまうと、キャリアがあるようでないんです。履歴書にアイドル時代の仕事実績を書けば書くほどうさんくさくみえる。
自分の経歴が次の仕事にどう役に立つのか伝わりにくい。私はとくに前職が異色すぎるという理由で、なかなか働ける保育園が見つかりませんでした」
小阪さんは芸能界を引退後、保育の仕事に携わった。しかし、その知名度が仇となり、風評被害にも悩まされていたという。
「いざ働けることが決まった後で、白紙になったこともありました。ネット検索をすると、良い情報だけではなく悪い情報も出てきてしまう。そこで、どうしてもネガティブな話題のほうが目を引きます。
保育園経営後も週刊誌の“誤報”まで信じられて、そのたびに説明をしたり、頭を下げたりしなければならないので、人間関係の構築が本当に大変で。信用を得るまでにすごく時間がかかりました」
小阪さんは自身の経験から、アイドルのセカンドキャリアの難しさを実感した。そして、同じ悩みを抱えている現役や元芸能人たちに救いの手を述べられないか、と考えるようになったという。
「3〜4年前から若いアイドルの子たちによく相談されるようになって。芸能界は浮き沈みが激しいから、たいていは不安を抱えたまま活動している。ただ、何をどうすればいいのかわからない状態にある子が多いから、うまく芸能の仕事を続けていく方法を一緒に模索してあげたいと強く思うようになったんです」
グラビアアイドルとしてトップを極めながら、ときには辛酸をなめるなど、あらゆる経験を経てきた小阪さん。今後は芸能人のメンタルケアやセカンドキャリア問題と向き合い、支援する活動を行っていくという。
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履歴書に書いても“使い道がない”経歴
現役アイドルの悩み相談が思った以上に深刻だった
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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