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バラエティ番組がまさかのドラマ化。フィクションは“事実”を超えられたのか

“普通”とされる人たちがもつ、全然“普通”じゃない人生の強さ

「日本人野球選手がメジャーで本塁打王争い、さらにはエースとして大活躍!」といった少年マンガを10年前に描いたところで「やりすぎだ」と編集者から一瞬でボツにされただろう。それと一緒で「これ以上ないほど愛した彼氏が生き別れの双子のきょうだいで、それを苦に自殺」というプロットを脚本家が書いても同様の理由で一蹴されて通らないはずだ。  だが、コレがどうしようもなく事実だから、成立してしまう。まさに、事実は小説よりも奇なり。ある種、「やりすぎだ」と言える展開でも、それが事実なのだから、引き込まれずにはいられない。しかも、こんな数奇すぎる実在の人生が毎回描かれるのだから、このドラマが弱いわけがない。  こうしたショッキングな事実のみに終始せず、人生の可笑しみや哀しみ、人間の強さとも言うべき部分がしっかりと描かれている点も高評価。オムニバス形式なので、どこから観てもスッと入っていける点も嬉しい。また、剛力彩芽や川島海荷、研ナオコといった取材対象者となる毎回の豪華メインゲストにも注目だ。 “普通”とされる人たちがもつ、全然“普通”じゃない人生。ひとりひとりの人生がドラマであると思わせてくれる良作だ。 取材・文/村橋ゴロー
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