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朝ごはんの「ケロッグ」に“米化オートミール”が流行するワケを聞いてみた

腸活ブームに乗った「機能性シリアル食品」が好調

オールブラン

善玉菌を増やし、腸内環境を改善する「発酵性食物繊維(アラビノキシラン)」を含んだ「オールブラン」は、予想を大きく上回るほどの売れ行きだという

 そして、直近のトレンドとしては、コロナ禍でより一層健康に気を遣う消費者が増えたことで「機能性シリアル食品」のオールブランシリーズに注目が高まっていると山路さんは説明する。 「コロナ禍で巣篭もり需要が生まれ、かつ時短ニーズや健康志向の高まりから、シリアル市場全体が伸長しています。とりわけ、『腸活』が注目されていたことに加え、学識者がオールブランに含まれる「発酵性食物繊維」が発酵を通じて、腸に有用な成分がつくり出されることに注目し、発信し、多くのメディアが報道したことも相まって、日本ケロッグが2020年4月にリニューアル発売した『オールブラン』シリーズが大きく売上を伸ばすきっかけになりました。  機能性表示食品として進化したオールブランは、『善玉菌を増やして腸内環境を改善する』という明確な機能便益を訴求できるようになり、消費者にも腸内環境を整える効果があることを伝えやすくなったんですね。こうした腸活ブームや外出自粛による健康意識の高まりが相まって、機能性シリアル食品のニーズが拡大している状況です」

オートミールの“米化”、新たな主食になる?

オートミール

お米のようにおにぎりやリゾット、カレーなどレシピへの汎用性が高いことで人気を得ている「オートミール」

 また、コロナ禍で生活様式が一変し、食シーンもさらに多様化したことで、消費者志向は「従前の朝食だけでなく、小腹がすいた時の間食やおやつの需要も増えた」と山路さんは続ける。 「テレワークが普及し、在宅にいる時間が長くなったことで、シリアル食品の喫食機会が広がったと感じています。もちろん、朝食のシーンは主流として顕在化しつつも、クルトンの代わりにサラダやスープにシリアルを添えたり、おやつとしてシリアル食品を食べたりと、間口は確実に広まっていると言えます。ケロッグでも、さらなる喫食機会の拡大に向け、朝食に限らず、様々な食シーンでお召し上がりいただく機会を増やしていくことで、さらなるカテゴリーの成長を目指したいと思っています」  なかでも、大きな話題を呼んでいるのがオートミールによる“米化”だ。  米化とは、文字通りオートミールをお米のように食べること。オートミールに水を加え、電子レンジで温めることで、米特有の粒感やもちもちした食感になるという。  まさに、お米の代用として新たな主食になりうる可能性を秘めているわけだ。 「多くのメディアがオートミールについて取り上げ、露出がされたことで、オートミールの米化はシリアル食品市場のなかでも非常に関心度が高いトピックになっています。弊社でも料理家の方が監修したレシピの展開や食べ方の訴求をしていますが、インスタグラムなどのSNSで消費者の方が考えたレシピの投稿から口コミで拡散されるくらい、ブームに火がついていると感じています」
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オートミールのレシピ
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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