<マンガ&コラム>“表現の原点”と“重大発表”「小野寺ずるのド腐れ漫画帝国 in SPA!」~第五十六夜~
―[ド腐れ漫画帝国 in SPA!]―
編集者の仕事の醍醐味に、これから輝く原石を見つけたいというものがある。まだあまり世間に出てない、これから光り輝くだろう人物を、自分が見つけ、磨き、世に放ち評価してもらいたい。どうだ、俺の発掘力をみたか。俺の選球眼をみたか。センスを認めさせたい面もある。しかし、その原石が磨いても磨いても、なかなか見てもらえない時代ではなかろうか。コンテンツが溢れかえるご時世。それを実感している。表現者・小野寺ずる。たまに表現のドが過ぎて原石のまま土に返したいときはあるけれど、一蓮托生、彼女は今後、立派なたまきんを持つ信楽焼のたぬき置物になると信じている。月1更新になりますが、皆さんよろしくお願いします。という愛を込めた、第五十六夜です。
表現の原点
以下は過去、”表現”に悩んでいた私がメモしていた文章……。
「『私についてきて!』と前を走るでもなく、『一緒に進んでいこう!』と並走するでもなく、『私がついてるからねっ!』と足をひきづりながら誰彼かまわず後ろをマークし続けるような、そんな頼もしい表現者になりたい。もしくは大漁旗を砂漠で振り続けるような」
拙いながらも表現の世界にしがみついてきましたが、私はそんな表現者に近づけているでしょうか? 前を走るにはカリスマ性やセンスが、並走するには共感性や体力が必要でしょう。それらを持ち合わせていない私に可能な表現を、今も模索しています。
連載は月1回に
'89年宮城県出身の役者、ド腐れ漫画家。舞台を中心に活躍後、'19年に「まだ結婚できない男」(関西テレビ)で山下香織役、'20年「いいね!光源氏くん」(NHK)で宇都宮亜紀役など、テレビドラマでも活躍の場を広げる。また、個人表現研究所「ZURULABO」を開設し、漫画、エッセイ、ポエムなどを発表。好きな言葉は「百発百中」。
Twiter:@zuruart
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