更新日:2024年02月01日 15:37
デジタル

外へと、旅へと連れてゆきたくなる。スーツケースのような外付けポータブルSSD

 動画や音楽の保存先や、仕事データの移動手段として近年人気なのが、外付けの「ポータブルSSD(ソリッドステートドライブ)」だ。同様の用途として馴染みの深い機器に「ポータブルHDD(ハードディスク)」があるが、SSDはHDDと比べて圧倒的に転送速度が速く(3倍〜14倍)、小型で軽量。衝撃や落下にも強いため、携帯にも適した記録装置として広く注目されている。

ビジネスシーンにもぴったりのスタイリッシュさ

 今回手に入れた、ウエスタンデジタルのコンシューマー向けブランドの一つであるWDの「My Passport SSD」も、ポータブルSSDのひとつだ。第一印象は「やけに薄いな」というものだった。いや、これは決してネガティブな意見ではない。薄いSSDは市場に多くあるが、「My Passport SSD」には薄さに加えてデザイン的なコダワリを感じたのだ。  側面は緩やかなラウンドエッジ形状。緩やかなカーブは、握ったときにスッと手にフィットする気持ちよさがある。持ち運び、何度も手で握るモノである故に、このフィット感の良さは嬉しくなる。  天板〜背面に沿って走る独特の波形のパターンにも心を惹かれた。直線と曲線、凹凸が組み合わさったユニークなデザインは、光の角度によって陰影を変化させ、さまざま表情を見せてくれる。丸みを帯びたラウンド形状だと、どうしても可愛らしさが主張されてしまうが、波形パターンを刻むことで、落ちつきのあるソリッドな美観へと昇華させているのだ。  市場にはさまざまなSSDがあるが、正直ここまでデザインの美しさにこだわった製品に出会ったのは初めてだ。しかし、よくよく考えればポータブルSSDは「持って出る」もの。他人の目に触れることも多いビジネスシーンを想定すると、ガジェットとしての美しさ、スタイリッシュさは所有欲を満たして気持ちよくなれるポイントだ。

安心のスペックでコスト面でも有利

 デザインも素晴らしいが、スペック面でも驚かされたことがある。このポータブルSSD、500GB、1TB、2TBの定番容量に加えて、なんと4TBという超大容量モデルも用意されているのだ。ここまでの大容量になるとHDDに取って代わり、動画や写真のメインストレージとしての活用も視野に入ってくる。転送速度も最大で読み出し1050MB/秒、書き込み1000MB/秒の高速仕様なので、巨大なファイルの転送もストレスなく行えるはずだ。  事実、私は仕事のデータに加え、編集用の動画データ置き場としても「My Passport SSD」を活用しているが、巨大な動画データもストレスなく読み込み、保存できている。体感としてはPC内蔵のSSDとの差がわからないレベル。それでいて、約2mの落下にも耐えられる高い耐衝撃性・耐振動性能があり、バックアップ機能や不正アクセスからファイルを守る暗号化にも対応するなど、物理的にも、セキュリティ的にも強固で、外出時にもガンガン持ち運んで作業できる安心感がある。  そしてなにより、手軽なのだ。どこにでも持っていける携帯性と、USB-CとUSB-Aの両対応の使い勝手の良さで、どんなPCにも大容量で高速なストレージを追加できるのは大きなメリットだ。現在使っているノートPCは、内蔵ストレージを増設したカスタマイズモデルで購入したが、この手軽さとポテンシャルをどこでも体験できるのであれば、わざわざ多大なコストをかけてPCの内蔵ストレージを「盛る」必要はなかったのでは?と後悔の念が押し寄せる。次からはPCの買い方を改めようと心に誓った……。

スーツケースとSSDは同じものかもしれない

 「My Passport SSD」を得て、大きく変わったことがひとつある。これまで以上に仕事場所に囚われなくなったのだ。編集途中のデータを詰め込んでおけば、カフェで、ホテルで、新幹線でと、ロケーション問わず、編集作業を再開できる。接続するだけで大容量データを高速にいじれるのは想像以上に快適で、いつもと違う環境でおこなう仕事は、3割増しで早く終る(気がする)。  こうして、隙あれば「My Passport SSD」に仕事のデータを詰め込んで、出かける理由を探している。「My Passport SSD」に刻まれた印象的な波形パターンは、どこかスーツケースを彷彿させるが、ひょっとしたら荷物を詰め込むスーツケースと、データを詰め込むポータブルSSDは本質的には同じものなのかもしれない。どちらも「大事なものを安全に運べる」傑出したソリューションだ。

My Passport SSDのここがスゴイ!

上から時計回りにシルバー、ゴールド、レッド、グレー、ブルーの5色展開

 5色のカラバリ展開。ここまで豊富なカラバリはMy Passport SSDだけ。自分のPCやデスク回りに合わせてコーディネートしやすい。色ごとに仕事用・プライベート用など使い分けも簡単。

他にも注目のラインナップ

 なお、「My Passport SSD」の他にも、WDブランドからは超コンパクトでコストパフォーマンスの高いポータブルSSD「WD Elements SE SSD」や、5TBもの超大容量モデルが選べて容量当たりコストがSSDよりはるかに安価なポータブルHDD「My Passport(HDD)」など、豊富なレパートリーが用意されている。自分の利用スタイル、保存するファイルの容量、求める転送速度や予算に合わせて、ベストなストレージを選んでいきたい。

超コンパクトなWD Elements SE SSD

大容量が魅力のMy Passport(HDD)

【今週のジバラー】小暮ひさのり

小暮ひさのり氏

PC誌やWeb媒体を中心にデジタルアイテムのトレンドを追うテクニカルライター。特技はお掃除 <提供/ウエスタンデジタル>
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