デブ、チビ、ハゲはネタにできない?芸人の容姿いじりはどこまで許されるのか――2021年ベスト5
2021年(1月~11月)、日刊SPA!で反響の大きかった記事ベスト5を発表。TVドラマから懐かしの芸能人まで「エンタメ」部門の第2位は、こちら!(初公開日 2021年6月1日 記事は取材時の状況)
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今月14日、「不毛な争いをなくそう」と記載し、男性アナウンサーの頭髪を揶揄したポスターを制作した大阪司法書士会が「配慮が不十分だった」として、自主回収を行った。一部の会員から「身体的な特徴を揶揄するような内容で不快だ」と指摘があり、結果的に自主回収する事態となった今回の騒動。こういった”容姿いじり”に関する話題は、ここ数年でお笑い芸人のネタにも変化をもたらしているようだ。
かつてのお笑い界では、容姿いじりは当たり前のように行われていた。他の芸人からのいじりだけでなく、容姿にまつわるネタを賞レースで披露しても、そこに何一つ違和感は生まれなかった。有名なネタをひとつ挙げると、2005年のM-1グランプリで優勝したブラックマヨネーズは、漫才のオチに「いつも行ってる皮膚科の先生」を登場させ、吉田の肌をいじった自虐ネタが組み込まれている。紹介VTRでもまた、吉田の肌と小杉の毛髪を「モテない2大要素」と紹介されたが、番組からの容姿いじりが話題になることはなかった。
徐々に世間が容姿いじりに対して敏感になっていき、炎上もしばしば見受けられるようになったのはここ数年のこと。2018年には、相席スタート 山崎ケイの著書「ちょうどいいブスのススメ」がドラマ化されたが、”ブス”という言葉に対して視聴者からクレームが入り、「人生が楽しくなる幸せの法則」というタイトルに変更された。
かつてのお笑い界は容姿いじりが当たり前だったが……
芸人から「反容姿いじり」の声が上がる
また今年は、3時のヒロインの福田麻貴が「私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!」とツイートし、それがワイドショーに取り上げられて話題を呼んだ。その際、EXITの兼近が「お笑いはサーカスだなっていうのがすごく感じていて。上の世代の方々はサーカスをしていて、だからナイフを投げても当たらない。これは危険な行為だから一般のところでやると怪我するに決まってるんです」と発言し、共感の声がネット上に多数寄せられた。あと今度改めて詳しく書きますが、この数週間で容姿ネタに関してじっくり考える機会が何度かあって、私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!思いはまた書きます。エンタはそう決める前に収録したもので、さらに別番組で5月にもう一本そのようなネタが放送されますが、以降は作りません。
— 3時のヒロイン 福田麻貴 (@fukudamaki) April 8, 2021
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漫才作家。'84年、オール阪神・巨人の台本執筆を皮切りに、漫才師や吉本新喜劇に多数の台本を提供。'90年吉本総合芸能学院(NSC)講師就任。担当した生徒は1万人を超える。著書に『吉本芸人に学ぶ生き残る力』(扶桑社刊)などがある
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