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デブ、チビ、ハゲはネタにできない?芸人の容姿いじりはどこまで許されるのか

かつてのお笑い界は容姿いじりが当たり前だったが……

大阪司法書士会

“攻めるポスター”を作ることでも有名だった大阪司法書士会。だが、頭髪をいじったポスターには司法書士達からの反発もあったようだ(大阪司法書士会HPより)

 今月14日、「不毛な争いをなくそう」と記載し、男性アナウンサーの頭髪を揶揄したポスターを制作した大阪司法書士会が「配慮が不十分だった」として、自主回収を行った。一部の会員から「身体的な特徴を揶揄するような内容で不快だ」と指摘があり、結果的に自主回収する事態となった今回の騒動。こういった”容姿いじり”に関する話題は、ここ数年でお笑い芸人のネタにも変化をもたらしているようだ。  かつてのお笑い界では、容姿いじりは当たり前のように行われていた。他の芸人からのいじりだけでなく、容姿にまつわるネタを賞レースで披露しても、そこに何一つ違和感は生まれなかった。有名なネタをひとつ挙げると、2005年のM-1グランプリで優勝したブラックマヨネーズは、漫才のオチに「いつも行ってる皮膚科の先生」を登場させ、吉田の肌をいじった自虐ネタが組み込まれている。紹介VTRでもまた、吉田の肌と小杉の毛髪を「モテない2大要素」と紹介されたが、番組からの容姿いじりが話題になることはなかった。

芸人から「反容姿いじり」の声が上がる

 徐々に世間が容姿いじりに対して敏感になっていき、炎上もしばしば見受けられるようになったのはここ数年のこと。2018年には、相席スタート 山崎ケイの著書「ちょうどいいブスのススメ」がドラマ化されたが、”ブス”という言葉に対して視聴者からクレームが入り、「人生が楽しくなる幸せの法則」というタイトルに変更された。  また今年は、3時のヒロインの福田麻貴が「私達は容姿に言及するネタを捨てることにしました!」とツイートし、それがワイドショーに取り上げられて話題を呼んだ。その際、EXITの兼近が「お笑いはサーカスだなっていうのがすごく感じていて。上の世代の方々はサーカスをしていて、だからナイフを投げても当たらない。これは危険な行為だから一般のところでやると怪我するに決まってるんです」と発言し、共感の声がネット上に多数寄せられた。
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