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アインシュタイン・稲田&ほんこんは「ぶさいく」をどう武器にしたのか

芸人の容姿と炎上

はげ 笑いの定番だった「デブ、チビ、ハゲ」が使えない、使いづらい時代になりました。SNSの発達で誰かが「差別だ!」「バカにしている!」と発信したことに共感する人が多く出て来ると炎上につながり、そのネタは使えなくなるわけです。  それどころか炎上がきっかけになってメディアの取り上げ方次第で芸人としてレッドカードを出されてしまう恐れもあります。  昔も不快に感じていた方はきっといらしたとは思いますが、個人の気持ちの中だけで終わっていたものが、いまは共有される・できる時代になったことでネタ作りも変わってきました。「おもしろければいい」、「笑いがとれればいい」だけではすまなくなっています。

劇場という閉鎖空間も“公”の意識を

 こうしたことはテレビやYouTube等のメディアやネットの世界だけの話ではなく、劇場という閉鎖された空間でもその場から「こんなことをネタにしていた、言っていた」とツイートされれば、たちまち拡散してしまうので、どこで演じようと公(おおやけ)、世論を意識していないといけません。  誰が見ても明らかな「いじめ」や「差別表現」のあるネタは論外ですが、むずかしいのはどこまでが許される範囲なのか“不快メーター”のボーダーが人によって違うことです。 「どんなに注意を払ったつもりでも、必ず否定的な感想・意見を持つ人はいる。100%満足させることはできない」と開き直るのは簡単ですが、きれいごとではなく一人でも不快に感じることが少ない内容・ネタを考えることが芸人・スタッフのプロとしての使命だと思います。
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吉本新喜劇の重鎮と容姿
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