更新日:2021年12月18日 18:27
エンタメ

M-1決勝、元ファイナリストが考える「ランジャタイに注目せざるをえない理由」

今年も「笑神籤」が結果を大きく左右する?

 敗者復活戦の激闘のあとは、ついに決勝戦の開幕である。  決勝進出者発表会見の壇上で、「ゆにばーす」の川瀬名人が「ここからは運です」と言った。俺自身、誰が優勝するのか昨年以上にわからない。今年は予想すらできないほど変わり種メンバーが選ばれている。
川瀬名人

かねてより「M-1を優勝できたら、コンビ解散、芸人引退」と公言してきた川瀬名人

 知名度や実績でいえば、敗者復活戦のメンバーのほうが高い。2015年、「トレンディエンジェル」以来の敗者復活からの優勝も十分ありえる大会だ。    そして、「笑神籤」である。ネタ順は当日、直前にしかわからない。順番だけではなく、誰の後にネタをするのか? それで大きく変わる。  あらゆる要素を鑑みて、やはり注目は「ランジャタイ」だろう。彼らの奇想天外なネタに対して7名の審査員はどのようなジャッジをするのか? どこに加点しどこに減点するのか? 「ランジャタイ」に対する上沼恵美子さん、「ランジャタイ」対するオール巨人師匠、「ランジャタイ」に対する松本人志さん、何番手に登場するのかも含めてすべてが大注目である。
ランジャタイ

型破りなネタで物議を醸し続けてきた「ランジャタイ」

前回大会から続く「物語」の結末

 さらに「物語」について書いていきたい。    2017年大会で上沼さんから「よう決勝上がってこれたな」と酷評された「マヂカルラブリー」が昨年、3年越しの物語を完結させ、王者となった。    決勝メンバーの中で「物語」を持っているコンビ、それは「オズワルド」だ。前回の記事でも書いたが、ツッコミ担当伊藤君のツッコミに対して松本さんは「静かなままツッコんでほしい」と言い、巨人師匠からは「最初から大きな声でツッコんでほしい」と言われた。
オズワルド

昨年の“事件”を乗り越え、準決勝では会心の漫才を披露した「オズワルド」

 このとき、俺は「来年の決勝は難しいのではないか?」と思った。しかし、「オズワルド」は間を空けることなく決勝に進出してきた。「オズワルド」が松本さんと巨人師匠との物語を完結させ、王者となるのではないか? こちらも注目である。
次のページ
審査員のコメントからも目が離せない
1
2
3
4
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

記事一覧へ
おすすめ記事