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アサ芸『深刻ブラジャー不足』記事に感じる気概

◆震災記事[ベスト&ワースト]大賞【2】 『AERA』から『アサ芸』『東スポ』までスゴい記事&バカ報道を総まくり 「放射能がくる」の表紙がヒンシュクを買った『AERA』、「煽らない」を売り文句にしていた『週刊ポスト』など、いろいろあった震災報道。あれから4か月が経った今、日本社会の混乱ぶりを振り返る意味も込め、6人の目利きにベスト&ワールド記事を選んでもらった
石原壮一郎

63年、三重県生まれ。編集者を経てコラムニスト、大人評論家。『大人力検定』(文春文庫)、『決断道』(廣済堂出版)ほか著書多数。最新刊『オトナの怒り方』(青春出版社)発売中

『アサ芸』には“ウチがやらなきゃ誰がやる”という気概すら感じます 【選者】 石原壮一郎 被災地の現状を知るたびにさまざまな思いに駆られましたが、救いは報道がとても多彩だったことですね」という石原壮一郎さんの目にとまったのは、まず「盲人たちの『2011.3.11』」(『AERA』4/25号)。全盲の被災者たちが津波の恐怖とどう対峙し、どう逃げたかをルポしたものだ。 「見えない状況がどういうものか想像がつかないですから、この視点はなるほどと。また、日頃こうした人たちの存在を見て見ぬふりしていることへの反省を求められているような気もします」  続いて、「ドン小西のイケてるファッションチェック」(『週刊朝日』4/22号)もベスト入り。 「東電会長の防災服の着こなしから、東電の置かれている状況を分析するなんてドンさんにしかできません。大事なのは“今、自分にできること”をやることだと身をもって示してくれましたね。同様の意味で『アサヒ芸能』の『「深刻ブラジャー不足」被災地のオッパイを救え!』(5/26号)にも感動しました。大事なオッパイが大変な状況のなかで忘れられた存在になっていたなんて! こういうネタは、ほかの媒体では報道しない。“ウチがやらなきゃ誰がやる”という気概すら感じられます」 ◆ベスト記事盲人たちの『2011.3.11』」(『AERA』4/25号) 「ドン小西のイケてるファッションチェック」(『週刊朝日』4/22号) 「『深刻ブラジャー不足』被災地のオッパイを救え!」(『アサヒ芸能』5/26号)
『週刊朝日』4/22号

『週刊朝日』4/22号より。東電会長のワイシャツから「現実との感覚のズレ」をドン小西が指摘

『アサヒ芸能』5/26号

『アサヒ芸能』5/26号より。ブラジャーが少量なうえにカップが揃わない被災地の現状を伝える

 ワーストで挙がったのが、「『震災後』夫婦の闇と灯」(『AERA』6/6号)。震災当日やその後の夫の振る舞いに対する妻の不満が記されているが、「夫にも確かに落ち度はあったのでしょうが、地震にかこつけるのはどうなのか。もともと夫婦関係がうまく築けていなかったのでは、とも感じます」。  また、「芸能人、有名人『募金・寄付』の舞台ウラ」(『週刊文春』3/31号)は「結局はプロ野球選手の年俸を聞くのと一緒。『お金ってあるとこにはあるんだな~』という下世話な感想しか残らない」。 「計画停電に役立つ『戦時中の知恵』」(『サンデー毎日』4/3号)も「そうは言っても戦時中よりずっと便利な状況にいるわけだし……。不便さのなかにも楽しみを見出そうという姿勢は前向きかもしれないけど、どこか『パンがなければケーキを食べればいい』に通じる能天気さがありますよね」。  実際、「米がないなら(略)オートミールがお粥の代わりに」なんて書いてあったしね……。 ◆ワースト記事『震災後』夫婦の闇と灯」(『AERA』6/6号) 「芸能人、有名人『募金・寄付』の舞台ウラ」(『週刊文春』3/31号) 「計画停電に役立つ『戦時中の知恵』」(『サンデー毎日』4/3号)
『サンデー毎日』4/3号

『サンデー毎日』4/3号より。「お米を粥状に煮詰めて竹炭の粉を混ぜ」と炭団の作り方まで紹介

『週刊文春』3/31号

『週刊文春』3/31号より。安室奈美恵×浜崎あゆみ、2大歌姫の寄付金対決についても言及する

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