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「ライフ」安さで勝負のスーパー業界で、価格競争よりもこだわっているもの

コロナ禍で内食ニーズが高まり、生鮮三品が注目されるように

ライフ スーパーマーケットには惣菜、ベーカリー、生鮮食品、生活雑貨などのさまざまなカテゴリーの商品が売られている。そのなかで、特にコロナ禍で注目度が上がったのはどのカテゴリーなのか。  小川さんは「生鮮三品の魚、肉、野菜が挙げられる」と述べ、コロナ禍による消費者志向の変化について話す。 「飲食店の営業自粛や時短営業によって、自宅でごはんを作る機会が増えました。加えて、テレワークや在宅勤務で家で過ごす時間も長くなったことで、必然的にスーパーマーケットで食材を買って料理をする内食需要が高まりました。一方、コロナ前後で変化したところで言うと、コロッケや焼き鳥などの惣菜の売り方です。以前までは売り場にトングとトレーを用意しておき、お客様がセルフでパックに入れるバラ売りのスタイルでした。  それがコロナ禍になったことで、感染予防の観点からベーカリーや総菜をパック販売に切り替えたんです。当初は売り上げが落ち込んだものの、最近では回復してきており、お客様にも浸透してきていると感じています。あとは、簡便性が高く時短につながる冷凍食品やマスク、アルコール消毒といった生活関連の商品も注目されている状況です」

ネットスーパーも好調。一時はキャパが追いつかなくなったことも

 スーパーマーケットに足を運ばなくても、食料品や生活用品を購入できる「ネットスーパー」。  ライフでは2011年からネットスーパーを開始し、共働き世代や買い物に行く制約のある消費者を中心に利用されてきたという。
ネットスーパー

2019年にAmazonとタッグを組んでリリースした「ネットスーパー」

 こうしたなか、小川さんは「コロナ禍での巣篭もり需要や来店のしづらさが相まって、ニーズがさらに拡大している」と語る。 「ライフでは自社のネットスーパーと、Amazonに出店するネットスーパーの2つを運営しています。コロナ禍では前年比に比べ、1.7倍~2倍くらい需要が伸びました。予想以上の反響だったため、いっときキャパシティが追いつかないほどでしたが、キャパシティの増強をかけたことで、現在では運用が回る体制を構築できています。2020年度は53億、2021年度は100億の売り上げを見込んでおり、順調に成長している事業だと捉えています」
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価格競争ではなく…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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