仕事

「ライフ」安さで勝負のスーパー業界で、価格競争よりもこだわっているもの

オーガニック食品への敷居を下げるための新業態も展開

BIO-RAL

2016年から新業態として出店している「BIO-RAL(ビオラル)」

 また、サステナブルやSDGsに対する意識の高まりによって、オーガニックや地球環境に優しい商品に関心が集まっているなか、ライフは新業態「BIO-RAL(ビオラル)」を2016年から展開している。  オーガニック(有機)、ローカル(地元・地域)、ヘルシー(健康)、サスティナビリティ(持続可能性)をコンセプトに掲げ、健康志向や自然志向といった新たな需要喚起に努めているという。  BIO-RALに関しては「敷居が高く思われている自然食品を、気軽に手に取っていただくきっかけづくりができればと考えている」と小川さんは説く。 「これまでオーガニック食品や健康志向の商品を手に取ってこなかったお客様にも気軽に取り入れてもらえるようになればと思っています。商品によって、ヘルシー、無添加、国産原料のみ使用などの特徴が異なりますが、手の届きやすい価格帯を意識し、少しでも敷居を下げられるように工夫を凝らしています。店舗は比較的のコンパクトなので、駅中や駅近にも出店が可能です。今後、オーガニック市場の拡大を狙い、既存のライフでは出店できないようなエリアにもBIO-RALを広げていきたいと考えています」

価格競争ではなく、付加価値で勝負する

 近年におけるスーパーマーケットの動向としては、価格の安さで勝負するお店が台頭してきており、価格競争が激しくなっている。  他方、ライフは値段で勝負するのではなく、「ライフでしか買えないプライベートブランドや惣菜などの商品開発にさらに注力していきたい」と小川さんは最後に抱負を語り、今後の展望について見通した。 「バイヤーが全国を巡って目利きし、商品を仕入れてくることで、他のスーパーマーケットでは見かけないようなライフ独自の品揃えを実現することができます。業界に見られる価格一辺倒の同質競争から脱却を図り、質の競争を心がけてライフ独自の付加価値を訴求していければと思っています」 <取材・文・撮影/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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