「新入社員のSさんがあれだけ悪口を言われているのだから、私がいないときには私についてもいろんな悪口が言われているのではないかと、気になってしまい……。そして、不眠症になってしまったんです」 　リラックス効果のある音楽を聴いたり睡眠薬を試したりしたものの、全く効果が出なかったという。1日2時間も眠れない日が続いた。 「その間も、悪口のやり取りは毎日のように開催され、このままでは自分の身がもたないと思い退職を決意しました。退職する際の社長との面談で、『なんか困ったことがあったのか』『部署移動してもいいよ』と声をかけていただきました。でも、社長が良い人だけに、さすがにこの状況は話せませんでした」 　入社してから退職まではたったの2週間。特に部長や課長クラスが中心となって盛んに行われていた「悪口大会」が、今でも忘れられないと平手さんは言う。 　新入社員たちが定着するのかどうか。業務内容よりも職場の雰囲気こそが大事なのかもしれない。 ＜取材・文／chimi86＞2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。