更新日:2022年03月30日 17:56
エンタメ

月に25日「やよい軒」でアルバイトする46歳芸人。同期は千鳥、ロバート…売れなくても辞めない理由

さんまさんの番組の前説もコロナ禍で…

夢追う中年の肖像 レアレア桑折正之

芸人としての仕事風景を撮影させてほしいとマネジャーに交渉したところ、「現時点では仕事がないので吉本にいる写真を」という回答が

 コロナの悪影響は、アルバイトにとどまらない。以前は月6万~8万円ほどあった芸人としての収入も、現在は「今月は1万円も入った!みたいな感じ」。定期収入としては計算に含んでいない。数少ないライブと番組の前説が主な収入源だったため、コロナ禍になって、そのほとんどが吹き飛んだ。 「(明石家)さんまさんの番組に、よく前説で呼んでもらってました。お年玉をもらったり、すごく良くしてもらって。でも、もう3年お会いできてません。番組に呼ばれでもしないと、このまま一生会えないかもしれないですね」

芸人を辞めない限り夢は10%叶っている

 小学4年生のときに初めて抱いた夢は「芸人になること」。現在の夢は、「バイトを辞めて芸人の仕事だけで生活すること」だ。 「芸人になって、すぐに売れてやるって思っていた頃と比べると、夢は年々サイズダウンしています。周りを見ていると、夢の大きさを変えられない人は辞めていきますね。うちは、コンビを解散しようみたいな話も出たことがない。お互い子供が同じ年に生まれたから、まずは生活を守らないといけない。最低限の収入を得て、お笑いはそれからだっていう価値観が一緒なんです。  逃げかもしれないけど、夢がない人と比べたら、自分は10%でも夢を叶えられているんだって思ってます」  芸人であり続けるために、芸人でいる時間を削り、バイトする毎日。それでも、芸人を辞めようと思ったことは一度もない。吉本興業本社での撮影を終えた後、「事務所は僕にとってまだアウェイなんですよね」と呟く桑折さん。彼は今日もこの後、ホームであるやよい軒に戻って、23時まで働く。
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朝6時から23時まで働く1日のスケジュール
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