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東大生たちが本気で語る実話怪談。偏差値75の世界でみえる恐怖体験とは

豊島監督自らがアンケートに回答。意外な東大気質が…

『東大怪談』を上梓した豊島圭介監督――本書の「はじめに」で、豊島監督も「都内スタジオのトイレで幽霊らしきものを見た」、「宇宙人に拉致された悪夢を見た」と、ご自身も恐怖体験に多少触れています。なので、今日は『東大怪談』の話者として、アンケートに答えていただけますか? 豊島:え? ぼ、僕がですか? なるほど…それはちょっと想定していなかったですね。これ、即答しなくちゃいけないですか? ――――できれば(笑)。取材される側の立場に立って、少し頭を整理しながら答えを打ち込んでいただければ。あとで気になる項目を説明していただくので、簡単で結構です。  しばし、真剣な表情でアンケートと格闘する豊島監督。

数十分後、打ちあがったアンケートがこちら

東大出身・豊島圭介監督の、アンケート回答用紙

東大出身者たちにあてたアンケートを、東大出身の著者・豊島圭介監督が答える事に

――お疲れ様でした。無理言ってすみません。早速ですが、まず気になったのが「心霊現象はなんだと思いますか?」という質問の答え。「心がグラグラしているときに不意打ちのように出くわす別次元の存在との邂逅」と回答されていますが、詳しく聞かせていただけますか? 豊島:日常で見えている景色というのがあって、それを我々は「普通」と認識している。でも、我々の心に強いバイアスがかかって、脳が必要以上に過敏な状態になったり、ショックなことがあって認知がバグったりしたときに、「普通」とは違う「世界のありかた」が見えてしまうことがあるのではないか、それが「心霊現象」なのではないかと思っています。 ――何が東大っぽいのかわかりませんが、体験者のアンケートの答えは、なんだかすごく東大っぽかったです。あと、「人間とはなんだと思いますか?」の答えも興味深かったですね。 豊島:これ、本当に難しい質問ですよね。改めて考えてみると、やっぱり人間って“欲望”をマネジメントして生きている生物だと思うんですよね。欲望は“人生”に置き換えてもいいと思いますが、それをどうコントロールしていくかを考えながら我々は生きている。欲望のまま、やりたい放題にやると、暴動や戦争が起きてしまう危険性があるので、人間はコントロールする力が常に問われているように思いますね。    本書が話題になったら、「いろんな監督さんに入ってもらって、いろんな解釈で映像化してみたいですよね」と夢を語る豊島監督。その一方で、早くも次の構想もあるらしく、その名も『東大猥談』。どうやら、最終章の『トラウマプロデューサー』に刺激を受けたようだが、どんどん東大のタブー地帯に入っていく豊島監督、そして陰の仕掛け人・角由紀子氏の今後の動向から目が離せない。 取材・文・撮影:坂田正樹
広告制作会社、洋画ビデオ宣伝、CS放送広報誌の編集を経て、フリーライターに。国内外の映画、ドラマを中心に、インタビュー記事、コラム、レビューなどを各メディアに寄稿。2022年4月には、エンタメの「舞台裏」を学ぶライブラーニングサイト「バックヤード・コム」を立ち上げ、現在は編集長として、ライターとして、多忙な日々を送る。(Twitterアカウント::@Backyard_com)
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「東大怪談」 東大生が体験した本当に怖い話

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