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“週に一度は出社”の謎ルール。若手社員が月金に出社する意外なワケ

 新型コロナウイルスの感染者数は徐々に減少傾向にあり、「かつての日常まで後少し」という雰囲気が漂っている。ゴールデンウィークの行楽地は、どこも人でごった返していた。その影響か、ここにきて感染者数が増加するという事態にも陥っているが、次第に社員への「原則出社」や「週に1〜2回の出社」などを促す企業も出始めている。
通勤風景(ビジネスマン)

※写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

 そんななか、中年社員と若手社員の間で軋轢が生まれつつあるという。

謎ルール“週に一度は出社”の裏側で…

「先日出社しましたが、スーツはぶかぶか。通勤用の自転車がパンクしていることや、定期券の期限が切れていることも忘れていました」  こう話すのは、ゴールデンウィーク直前、実に3か月ぶりに出社したという千葉県在住の保険代理店勤務・井上祐一さん(仮名・30代)。  営業職だが、コロナ禍以降は顧客とのやりとりは全て電話やメールで済ませ、打ち合わせが必要な時はLINEやZoomなどを活用。当初は違和感を覚えたものの、もはやそれが「普通」になっていると話す。 「“週に一度は出社”という謎ルールができて、若い社員は不満を漏らしています。ただ、それもそのはず。出社したいというのは50代以上の社員ばかりで、新しいITツールを使いこなせていない人たちばかり。リモート勤務なら、自分の仕事だけをしていればいいのですが、出社してしまえば、雑談に付き合ったり、昼飯の相談をされたり、仕事以外のことに気を使わなければならない」(井上さん、以下同)  今では若い社員のほぼ全員がリモートワークの継続を希望しているが、中年以上の社員では、8割が「出社希望」なのだという。

以前の「外で打ち合わせ」「取引のため外出」は嘘だった?

「その理由を聞けば、『家に居場所がない』という人もいれば(笑)、“出社しないと仕事をした気分にならない”という本音を隠して『出社することに意味がある』なんて答える上司もいます」  そんな上司たちだが、以前は出社すればホワイトボードに「外で打ち合わせ」「相手先と取引のため外出」などと記し、日々忙しそうにしていたのだが、リモート体制になってからは、これまでのそうした報告が「ウソ」だったのではないか、という疑問も噴出しているという。 「業務報告をするソフトを使って、リモート中の社員が何をやっているのか逐一書き込むのですが、上司たちは何も書き込まない。それを指摘されて、みな書き込むようにはなったものの、丸一日打ち合わせばかり。ソフトのビデオチャット機能を使っている形跡もなく、ログインすらしていないこともバレバレ」
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若手社員は「上司を避けるため」月曜か金曜に出社
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