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団塊の世代が作ってきた「日本の政治の問題点」とは/上念司

参院選で岸田政権が勝ってしまった場合……

国会議事堂 衆議院議場 もちろん、そうはならない恐れもあります。  岸田政権の支持率も自民党の政党支持率も本書を執筆中の3月時点ではまだかなり高いです。野党の支持率は政権交代のレベルまで達していません。参院選で大して負けないどころか、少し勝ってしまうぐらいだと岸田政権があと3年は続きます。「新しい資本主義」とは名ばかりの社会主義的な政策が実施される可能性は高いでしょう。  その場合は、新型コロナに関する行動制限が終わり、景気が少し良くなったところで大増税。大義名分はコロナショックの大盤振る舞いで「財政危機がー」ということになるでしょう。  実際に岸田首相は2025年のプライマリーバランス黒字化目標を諦めないと明言しております。下手すると日本経済はデフレに逆戻りするかもしれません。そして、みんながそう予想すれば企業はお金を貯めこみ内部留保を積み上げます。みなさんの雇用を保証するためです。もちろん給料なんて上げられませんよ。  目の前にあるコロナ禍の終焉、足掛け40年続いたディスインフレの終焉、そして団塊の世代の引退に伴う無責任野党の衰退。これらが複合的に絡み合って、私たちの生活環境は大きく変わる可能性が高いと私は思っています。だからこそ、変化を前にしてマインドセットを入れ替えましょう。<文/上念 司>
1969年、東京都生まれ。経済評論家。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一名誉教授に師事し、薫陶を受ける。リフレ派の論客として、著書多数。テレビ、ラジオなどで活躍中
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