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頂点を極めた直後にまさかの引退!「ガールズケイリン」の女王が語る当時の思いと今後の活動

常に全力投球!! やるからには絶対に手を抜きたくない

高木真備さん

競輪選手を引退し、保護犬・保護猫活動をスタートした高木さん。競輪との両立を選ばなかった理由を聞くと、彼女のファンに対する想いが窺えた

 ここまで聞くと、「競輪と保護活動の両立を選ぶことはできなかったのだろうか」と疑問に思うところである。正直、動物の保護活動は非常にお金がかかる。以前、筆者がドキュメント番組で観た保護猫活動家も、経済的には困窮していた。引退せずに選手を続け、お金を稼ぎながら活動を行うという道もあったのではないかと思うのだが、彼女の実直な性格がそうはさせなかったようだ。 ーー競輪と保護活動の両立は考えなかったんですか? 高木:最初はそれも考えて、2月、3月くらいにやってみたんです。でも私の場合、レースで勝ち続けるには24時間競輪のことを考えていないといけなくて……。上手く切り替えることができないんですよね。でもお客さんはそんなこと知らないでお金を賭けてくれてるじゃないですか。その期待に応えられないのは申し訳ないと思いました。本当は両立できるのが理想なんですけどね。

元競輪選手として活動を続ける意味

 やるからにはとことん突き詰めるタイプの彼女。当初は保護活動に専念するため、競輪関係のメディアからオファーがあっても断るつもりだったようだ。だが「その気持ちにも変化が出てきた」と彼女は語った。 ーー現状は具体的にどのような活動を行っているのですか? 高木:今は、様々な施設を見学させてもらったり、お話を聞いたりして勉強しているところです。それまでは、保護犬が可哀相ってイメージしかなくて、可哀相だから助けてあげたいってことばかり考えてたんですけど。話を聞いてくうちに、保護犬になってしまう犬を出す人間の方をなんとかしなくちゃいけないってことがわかりました。 今の東京って犬や猫の殺処分がゼロなんですよ。でも、それって保護犬・保護猫が減っているわけではなく、保健所が犬と猫を受け入れていないだけで。その分、全部愛護団体の方に回っていて、その方たちが手一杯になってるんです。私も興味があっていろいろ見てたとはいえ、実際に話を聞いて初めて知ることも多かったですね。 それで、保護団体の方に「いま私にできることってなんですか?」って聞いたら、「とにかく発信して欲しい」と言われてました。いまの状況を一人でも多くの人に知ってもらえれば、軽い気持ちでペットを飼って、「飼えなくなったら保護カフェや施設に連れて行けばいいや」という人が減るので、まずはそこから始めています。 ーーでは、今後の活動は“元競輪選手”として続けていくのでしょうか? 高木:実は私、引退したら競輪からは完全に身を引こうと思っていて、競輪関係のメディアとかにも一切出るつもりは無かったんです。でも、お世話になっていた高木さんから「競輪選手としてやってきた立場を利用してできることってあるんじゃない?」と言われたことを思い出して。 せっかく発信できる場があるなら最大限に使った方がいいし、集まってくれたファンの方に発信できれば、その方たちも発信してくれるかもしれないので、元競輪選手として活動を続けていくことにしました。すでにレースのゲストとか予想配信などに呼んでもらっていまして、これからもオファーがあれば出るつもりです!
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新人のガールズ選手に伝えたいこと
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